近年における国際テロリズムの新たな潮流

近年のテロ情勢は、従来の組織主導型からさらに複雑化および流動化している。特に懸念されているのが、過激派組織の地域的台頭と、中東情勢の緊迫化に伴う新たなアクターの動向である。

近年、最も動向が警戒されている過激派組織の一つが、「イスラム国(IS)」の地域組織である「イスラム国ホラサン州(ISKP)」である。ISKPはアフガニスタンを拠点としながらも、近年は国境を越えた国際テロ能力を急激に高めている。

モスクワ郊外のコンサートホール襲撃事件、イラン革命防衛隊のソレイマニ元司令官の追悼イベントを狙ったテロへの関与が指摘されており、その触手は欧州にも及んでいる。実際に欧州各国では、ISKP関連のテロ計画が治安当局によって事前に摘発され、逮捕者が相次ぐ事例が確認されている。

さらに、最近の中東情勢の激化はテロのリスク構造を多極化させている。その一例として指摘されるのが、イランの影響が指摘される過激派ネットワーク「ashab al-Yamin」の欧州における行動である。

これらのグループは、欧州の主要都市などで反欧米・反イスラエルの文脈に沿った不穏な動きを見せており、国際的な大イベントが彼らの過激な活動に利用されるリスクが、治安の専門家から強く注視されている。

強固な治安対策とその限界:大規模テロの可能性