<北中米W杯にテロの脅威はどこまで及ぶのか。過去の事例と最新の国際テロ情勢を踏まえながら、大会のリスクと観戦者が取るべき安全対策を検証する>
北中米W杯の開幕を控え、史上最大規模の祭典の裏で懸念されるテロの脅威。本稿では過去の事例や最新の国際テロの潮流を分析し、強固な治安対策の盲点と、現地を訪れる海外邦人が取るべき安全対策を解説する。
世界のサッカーファンが熱視線を送る「FIFAワールドカップ(W杯)2026」がいよいよ開幕を迎える。
今大会は米国、カナダ、メキシコの3カ国による史上初の共同開催であり、出場国数も従来の32カ国から48カ国へと大幅に拡大された。北米大陸の広大な地域を舞台に、数十万人規模の観客とメディアが移動を繰り返す、文字通り史上最大規模のスポーツイベントである。
しかし、このような世界的なメガイベントの華やかさの裏には、常に深刻な治安上のリスク、とりわけテロの脅威がつきまとってきた。
多くの人々が集まり、世界中のメディアの注目が集まるメガスポーツイベントは、テロ組織にとって自らの存在感や政治的主張を誇示するための「格好の標的(ソフトターゲット)」となり得るからである。
次のページ