夏の旅行シーズンを前に、公衆衛生を脅かす事態が世界各地で進行している。中央アフリカではエボラ出血熱の感染が急拡大。アメリカではボストンでエムポックス(サル痘)の感染者が急増し、フロリダ州で「人食いバクテリア」ビブリオ・バルニフィカスの症例が続出している。

こうした事態は、例年であれば旅行者が最も多い夏のバカンスシーズンに打撃を与えかねない。

クルーズ船のMVホンディウス号で起きたハンタウイルス集団感染の影響についても保健当局が監視を続けている。規模や地域は異なるものの、こうした展開は、局地的な流行が瞬く間に海外旅行や国内旅行と重なり合って拡大し得る現実を見せつけた。

エボラ出血熱は依然として世界的なリスクとされる状況が続いている。アメリカ疾病対策センター(CDC)元所長のロバート・レッドフィールドは現在の流行について、史上2番目の規模になり得ると指摘する。国際的なウイルス感染の拡大は、アメリカの検疫手順や渡航ルールをほとんど予告なしに変えさせた。

全米で減少傾向にあったエムポックスの症例は、ボストンの一部地域で急増。人口が密集する都市環境や夏のイベントを通じ、同ウイルスがどれほど簡単に再燃するかを見せつけた。一方、フロリダ州のビブリオ菌感染は、海水温の上昇やビーチ観光の急増に伴って増大する気候変動由来の水辺リスクを浮き彫りにしている。

クルーズ船の乗客数人を死亡させ、数カ国で感染者を出したハンタウイルスは、旅行関連の集団感染が起きれば症状が出る前に国境を越えてしまう現実を見せつけた。潜伏期間が長く、初期症状で見分けがつきにくい疾患の場合は特にそれが当てはまる。

エボラの流行拡大続くコンゴ
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