米国では、航空運賃やホテル料金の上昇によって旅行者の二極化が顕著になっている。予算重視の市民が夏の旅行を延期または中止している一方、富裕層は高価格でも休暇の計画を変更していない。食料品や外食、衣料品などで消費者の間で既に見られる「二極化」が、新型コロナ禍後も回復傾向にあった旅行需要でも進み、いわゆる「K字型経済」の広がりを浮き彫りにしている。

主な要因は、2月下旬に始まった米国の対イラン攻撃によって押し上げられた燃料費を中心とするインフレの加速だ。

コンサル⁠ティング大手のデロイトが最近行った調査では、今年の夏に旅行を計画していると答えた米国人は全体で45パーセントにとどまり、過去6年間の最低を記録。年収10万ドルから19万9000ドルの中間所得層の落ち込みが最も激しく、前年の45%から37%に減少した。

アメリカン航空のロバート・アイソム最高経営責任者(CEO)は27日に開かれたバーンスタインの会合で、需要がK字型のパターンをたどっていることに「疑いの余地はない」と発言。高所得層の旅行者が中低所得層の顧客を上回っていると述べた。それでも同氏は、旅行需要は全所得層で伸びており、レジャー需要は「驚異的に」強いと付け加えた。

サウスウエスト航空のボブ・ジョーダンCEOも、28日に同じ会合でレジャー需要の見通しについて同様の考えを示し、2月以降の運賃値上げは業界に身を置いた38年間で、記憶にある限り最大だと述べた。

旅行を続けようとしている中低所得層の消費者の多くは、運賃が下がることを期待して予約をこれまで以上に遅らせている。海外旅行を断念し、近距離で安価な目的地を選ぶ人もいる。また予算重視の消費者は、ドライブ旅行や、宿泊、食事、アクティビティー、時には航空券までが一括価格に含まれるクルーズパッケージを選択している。

際立った痛手を受けているのがエコノミークラス利用の旅行者