自由を守るための過激主義は悪ではない

これに対して中西部や南部の共和党員は主張を異にし、政府支出や高税率、経済規制に反対する立場を強調した。結果として選挙では、概して穏健派の候補が好まれた。

この常識を64年の大統領選が揺るがした。強硬右派の先鋒であるバリー・ゴールドウォーター上院議員が共和党の候補指名を獲得し、党主流派を震撼させたのだ。

カリフォルニア州での共和党全国大会でロックフェラー候補が「穏健の美徳を忘れるな」と訴えると、聴衆はヤジを浴びせた。一方「自由を守るための過激主義は悪ではない」と演説したゴールドウォーターには、喝采を送った。

だが米社会は「ゴールドウォーター大統領」を迎える準備ができていなかった。ジョン・F・ケネディ大統領暗殺後に政権を継いだ民主党の現職リンドン・ジョンソンが歴史的大差で勝利し、民主党は議会で圧倒的多数を確保した。

その大統領選で共和党の希望の星となったのがレーガンだ。俳優出身の彼は、当時右派の論客として頭角を現していた。投票日直前の64年10月27日にはテレビでゴールドウォーターの応援演説を行い、「選択の時」と題された30分のスピーチに党は熱狂した。

66年、レーガンはカリフォルニア州知事選の共和党予備選に出馬した。彼の前に立ちはだかったのが、56〜64年にサンフランシスコ市長を務めた穏健派の代表ジョージ・クリストファーだった。

経歴が州知事にふさわしく勝利が期待できると考え、カリフォルニア共和党連盟はクリストファーを支持した。

熱狂の中で生まれた勝利の方程式