電動化目標全体は下方修正

カー・インダストリー・アナリシスのフェリペ・ムニョス氏は、フェラーリがルーチェを主力販売モデルとは想定しておらず、中国のライバル勢が派手な新型EV開発で世界をリードする中で、ある種の「ステートメント車(ブランドの方向性や価値観をアピールするための車)」として位置づけていると指摘する。

中国のBYD(比亜迪)は、超高度サスペンションを採用して文字通り跳ねたり踊ったりすることができる電動スーパーカー「仰望U9」を開発している。

ムニョス氏は「今すぐにEVスーパーカーが必要というわけではないかもしれない。しかし、長期的に見れば電動化の流れは避けられず、フェラーリは動く必要がある。誰かに先を越される前に、高級車の電動化とはどうあるべきかを定義しなければならない」と説明した。

既存のハイパフォーマンスブランドが電池の限界に苦戦する中、フェラーリの課題は全く新しい技術を用いながらも自社のアイデンティティーを維持することにある。電池は重くパワーの持続性に欠け、ガソリンエンジンのような本能に訴えかけるような魅力に乏しい。

昨年10月にルーチェの技術を公開した際に、フェラーリはパワートレインからの振動を増幅させる専用設計のサウンドシステムを披露した。これは擬似的なエンジン音ではなく、フェラーリ独自の電動サウンドを創り出すためのものだ。

グラントソントン・スタックスのダン氏は、誰もがフェラーリに連想する3つの要素は見た目、音、そしてフィーリングであり、電動化に当たって「これらを異なる方法で正しく実現しなければならない」と述べた。

フェラーリの電動化目標全体は縮小している。30年までに全ラインナップの40%をフル電動車にするとしていた以前の目標を、20%へ引き下げており、今後もハイブリッド車や伝統的なエンジン車モデルの製造を継続する方針だ。

顧客層の拡大