ハンタウイルスの症状
──どのような症状が?
新世界型はハンタウイルス肺症候群を引き起こす。南北アメリカで毎年発生し、年間報告数は200〜300例前後だ。北米で数十例、南米はアルゼンチン、チリ、ボリビアなどで報告されている。致死率は平均で20〜40%で、年によっては50%に上ることもあるので、十分注意が必要だ。
最終的には呼吸器症状が重篤化する。急速に呼吸不全に陥り、発症から数日で亡くなるケースもある。有効な抗ウイルス薬はなく、重症例では集中治療室で人工呼吸管理やECMO(体外式膜型人工肺)を使って回復を待つ。
一方、腎症候性出血熱の場合は腎不全に陥ることがあり、人工透析が必要になることもある。ドイツやフィンランドでは、流行年には年間3000人前後の感染者が報告されることもある。実はそこまでまれな病気ではない。
初期症状はインフルエンザとほぼ変わらない。発熱、倦怠感、関節痛などであり、症状だけでは判断できない。急速に重症化することがあるため、早期診断と慎重な経過観察が重要だ。
急性期の確定診断には遺伝子検査が用いられる。日本では国立健康危機管理研究機構などの専門機関で検査体制が整備されている。
なお、発症初期には検査が陰性となる場合もある。症状が続くなど臨床的に強く疑われる場合には、時間を置いて再検査を行うことが重要だ。
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