感染経路は?
──どのような感染経路が確認されているのか。
ネズミの糞尿が乾燥し、それを掃除した際に吸い込んでしまうケースが多い。また、糞尿に触れた手を介して口に入ることもある。乾燥したものが粉塵となり、呼吸器から侵入することもある。
感染防止として、ネズミの糞尿を見つけた場合は、まず水や消毒剤で十分に湿らせ、飛散を防ぎながら拭き取ることが重要だ。
今回はクルーズ船で発生したことが大きい。クルーズ船ではこれまでもノロウイルスやインフルエンザ、食中毒など、多くはないが感染症の流行例がある。
さらに2020年のダイヤモンド・プリンセス号での新型コロナ集団感染の記憶が強く残っていることから、「世界中に広がるのではないか」という恐怖が人々の中にある。それでニュースになっているのだと思う。
専門家から見ると、クルーズ船での感染症流行は珍しくない。ただし、今回は致死率が高いアンデス型だったことから、注意が必要だ。
──クルーズ船の外でもアンデス型が既に広がっている可能性は?
クルーズ船の乗客に1人の死者が出た後(編集部注:この時点ではハンタウイルスかどうかは未確認)、4月24日に英セントヘレナ島で約30人が下船した。その人たちの行動履歴が完全には把握できていない可能性があり、その中から感染者が出る可能性もある。
潜伏期間は長く、1週間から最大5〜6週間。下船後も、まだ数週間は経過観察が必要だ。この期間に発症する人が出る可能性もなくはない。
だが、新型コロナのように極めて感染力が高いわけではない。感染にはキスや近距離で長時間過ごすなど、かなり濃厚な接触が必要だと考えられる。
WHOも、潜伏期間の最長を見込んだ42日間の経過観察を推奨している。この期間に問題がなければ、ひとまず安心してよいという考え方だ。