アンデス型に注目が集まる理由
──ハンタウイルスにはどのような分類があるのか。
大別すればヨーロッパやアジアに広がった「旧世界型」と、南北アメリカ大陸に多く見られる「新世界型」の2つと考えてよい。ただ、ネズミにも多くの種類があり、それに対応する形でウイルス種もかなり細かく分かれている。
例えばシンノンブレウイルス、アンデスウイルス、ソウルウイルスなどがある。多くは農村型だが、ソウルウイルスは都市型で、ドブネズミなどを介して広がる。ネズミと共に進化してきたため、ネズミの種類と同じくらい多様なウイルスが存在している。
症状によって分類することもできる。「腎症候性出血熱」と、「ハンタウイルス肺症候群」で、前者が旧世界型、後者が新世界型と考えてよい。
──なぜアンデス型に注目が集まっているのか。
新世界型ハンタウイルスの一種であるアンデスウイルスは、例外的に人から人への感染が確認されている。多くのハンタウイルスは宿主であるネズミとの共進化の結果、人から人への感染はほとんど起こさないが、アンデスウイルスは濃厚接触により感染が広がる可能性が報告されている。ただし、新型コロナウイルスのように効率的に広がるわけではない。
南北アメリカで見られる新世界型は、致死率が平均30〜40%と高く、一部の南米ウイルスでは50%近くになることもある。患者数は年間100〜300人程度と多くはないが、重症化しやすいため注意が必要だ。
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