ドイツのフリードリヒ・メルツ首相は5月15日、米国社会の「空気」への懸念を理由に、自分の子どもたちには米国で学んだり働いたりすることを勧めないと語った。
この発言は、経済見通しや社会状況の変化をめぐり、欧州首脳の間で米国に対する不信が強まっていることを浮き彫りにした。長年にわたり世界の優秀な人材を引きつけてきた米国の魅力に陰りが生じている。
メルツとドナルド・トランプ米大統領との間では、対イラン戦争やドイツ駐留米軍削減をめぐる対立も続いている。
メルツはドイツ南部ビュルツブルクで開かれたカトリック会議のパネル討論で、米国への憧れは薄れつつあると述べた。以前ほど魅力的でなくなった例として、高学歴の若者も1年前に比べて仕事を見つけにくくなっていると付け加えた。
「私は米国を大いに称賛している。しかし、今は以前ほど米国に魅力を感じていない」とメルツは語った。「だから今は、子どもたちが米国へ行って教育を受け、働くことを勧めない。米国社会の空気が急激に変わったからだ」
「高学歴の若者が米国で得られる機会は、1年前とは大きく変わった」と、メルツは続けた。「今は、最高の教育を受けた人々でさえ仕事を見つけるのに苦労している」
最近のデータによれば、メルツの発言は、米雇用市場に参入する高学歴の若い労働者が直面する現実の傾向を部分的ながら反映していることがわかる。
大学卒業直後の若者の失業率は全体の失業率を上回っており、多くが学位を必要としない職に就いている。これは、学業から就業への移行が過去数年より難しくなっていることを示唆している。
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