──自分自身の認識を変えるだけでも、働き方が変わって同じ職場で生き生き働けるようになるということですね。

「冒険する組織のつくりかた」という名前の社内セミナーや社内講演によく呼んでいただくようになりました。タイトルにだんだん「半径5メートルからできる」といった文言が入るようになっていったのですが、それが「半径3メートル」「半径1メートル」と減っていったんです。本来はもっと大きな関わりを想定していたのですが、1メートルの範囲でもできることがあると読んでくださる方がいることや、数字の変化が個人的にはおもしろかったです。

自分の「レンズ」を言語化すると、可能性が広がる

『冒険する組織のつくりかた』の筆者、安斎勇樹さん
『冒険する組織のつくりかた』の筆者、安斎勇樹さん(flier提供)

──半径1メートルが自分で整えられるのであれば、どんな場所にいても大丈夫だと思えそうです。それができたら、転職する必要性を感じなくなるという人もいるかもしれません。

そうですね。転職は無理に防ぐものでもないのですが、自分の所属している環境のダメなところを探して、自分に合う理想郷を探そうとしても、絶対に見つからないだろうとも思うんです。

本では「内的動機」と「外的価値」をどうやって整合させるのかと書きましたが、自分の内的動機がわからなくなってしまった人が、「よくわからないけどモヤモヤして飛び出してきました」という状態のまま転職先の面談に行っても、その会社で何がやりたいか説明できないですよね。すると、結局前の会社でやっていたのと同じような仕事に就きなおすだけになってしまう。

本人に整合性を探究する態度や技術が備わっていたり、職場にキャリア相談の機能があったりすると、「合わない職場だと思っていたけど意外に合っていた」「こういうやり方ならここで輝ける」という発見が生まれることがあります。

一人ひとりの自己実現につながる内的な動機は何なのか
【関連記事】