Siyi Liu
[シンガポール 23日 ロイター] - アナリストや精製業界筋によると、4月と5月のアジアでの原油精製量は急減し、ディーゼルエンジン燃料とジェット燃料の生産量は少なくとも日量100万バレル減少する見込みだ。米国とイスラエルのイラン攻撃に端を発した中東紛争を受け、原油輸入量が約10年ぶりの低水準に落ち込んだことが背景にある。
世界の精製量の37%を占め、原油の3分の2を中東から調達しているアジアは、中東紛争によるホルムズ海峡の事実上の封鎖で最も大きな打撃を受けている。調査会社ケプラーの暫定データによると、アジアの4月の原油輸入量は前年同月比22%減の日量2040万バレルと、16年以来10年ぶりの低水準となる見込みだ。
国際エネルギー機関(IEA)によると、アジアの製油所で3月の精製量は日量2940万バレルと270万バレル減り、4月はさらに減少して日量2860万バレル、5月は日量2850万バレルになる見込みだ。
コンサルティング会社エナジー・アスペクツは、3月に日量3040万バレルだった精製量が4月は日量2840万バレル、5月は日量2870万バレルへと減少すると予測している。
コンサルティング会社FGEネクサントECAのシニア石油アナリスト、アミール・アブ・ハッサン氏は「中東産原油の供給不足が続く中、代替の原油供給が今週以降にようやく始まるため、減産のピークは4月になるだろう」との見方を示す。
一部のアナリストは6月に原油供給が回復し始めると予測しているが、それは中東紛争の行方次第となる。
精製量が世界最大の中国は、国内供給を優先するために3月から燃料輸出を抑制している。IEAによると、中国での3月の精製量は日量1400万バレルとなり、2月の日量1520万バレル、25年通年の平均の日量1480万バレルから減少した。
中国の調査会社ホライゾン・インサイトは、今月17日までの1週間に中国での精製量が日量1340万バレルだったと推計。2月28日のイラン攻撃の前週の日量1540万バレルから減少した。
同社のアナリストによると、中国の減産は主に国有製油所で起きている。エネルギー安全保障のため、石油化学製品の原料となるナフサの代わりに輸送用燃料の生産比率を高めている。
FGEのハッサン氏によると、韓国と日本では製油所の稼働率が通常70―80%程度なのが、4月下旬から5月上旬にかけては65%に低下する見込みだ。シンガポールでは製油所の平均稼働率が通常70%だが、今は50%を下回っている。
日本の石油連盟のデータによると、4月の日本の製油所稼働率は68%程度にとどまっている。
コンサルティング会社ライスタッド・エナジーのアナリスト、ニティン・プラカシュ氏によると、インドの4月の精製量は日量500万バレル程度と、2月より13%弱減った。