Brad Heath Andrew Goudsward

[ワシントン 23日 ロイター] - トランプ米政権が犯罪取り締まり強化を約束しながら、司法省傘下の法執行機関の人員を4000人余り削減してきたことが、ロイターが情報公開法に基づいて入手した司法省管理部門の記録で明らかになった。

この記録によると、2024会計年度以降に連邦捜査局(FBI)の人員が全体の7%超に当たるおよそ2600人減少したほか、麻薬取締局(DEA)は約6%、アルコール・たばこ・火器・爆発物取締局は約14%それぞれ職員が減った。

さらにテロ対策やスパイ活動、サイバー攻撃など重大な刑事・民事事案に対応する司法省の国家安全保障局(NSD)の人員は38%弱も減少。NSDは直近の議会に対する予算要求で「未曽有の人的制約」に見舞われていると訴えている。

これらの法執行機関は従来、テロや麻薬取引への対応、犯罪者への銃売却阻止といった最も注目度の高い刑事捜査を担ってきた。

司法省を退職する職員の支援団体責任者で元同省弁護士のステーシー・ヤング氏は「トランプ政権は犯罪やテロに強腰だと声高に唱えている。だがそれらに対処する役割の機関を骨抜きにしている事実は言行が一致していない証拠だ」と批判した。

こうした法執行機関の人員規模縮小に加えて、政権が移民対策に重点を移したため、当局は以前行ってきた業務の一部から手を引かざるを得なくなっていることが、各種記録や関係者への取材で判明した。例えば昨年の麻薬密売に関する連邦レベルの訴追件数は、過去20年余りで最低に落ち込んだ。

さらにロイターがトムソン・ロイター傘下の法情報サービス「ウエストロー」に収録された数百万件の連邦裁判記録を精査したところでは、今年に入ってこうした事案の立件は一段と減っている。

一方、米司法省の報道官は、具体的な根拠は示さずに、昨年実施した早期退職制度によって「米国民を守るため犯罪に積極的かつ誠実に取り組む意思のない職員」を削減できたと主張。米国内の殺人発生率が近年で最も低い水準に低下している今の時期に「この人員削減で凶悪犯罪への対応能力が損なわれたとするいかなる指摘も、現実に立脚していない」と反論した。

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