実験の結果、食器洗い用スポンジは3種類とも使用中に素材が失われ、マイクロプラスチックが放出されていることが分かった。放出量はスポンジによって異なり、1人あたり年間およそ0.68グラム~4.21グラムだった。 これまでの研究によれば、マイクロプラスチックは気道に付着することもあり、がんや男女の不妊などさまざまな健康問題との関連が指摘されている。

プラスチック含有量の少ないスポンジは、マイクロプラスチック粒子の放出量も大幅に少なかった。しかし、食器をスポンジで手洗いした場合の全般的な環境への影響を評価した結果、マイクロプラスチックの放出が全体に占める割合はごくわずかだった。

実は環境への影響が最も大きいのは水の消費だったことが判明。食器洗いに伴う環境負荷全体の85~97%を占めていた。

消費者製品評価サイト「Reviewed.com」の2017年のレポートによると、食器洗い機を所有するアメリカ人のうち、約20%は使用回数が週1回にも満たない。食器を手洗いした場合の水使用量は、最新の自動食洗機に比べて最大3.5倍にも達するという。

マイクロプラスチックについても、1人あたりの放出量は比較的少なく思えるかもしれないが、国全体で推定すればより深刻な数字になると研究者は指摘する。

例えばドイツでは、特定の種類のスポンジを全ての家庭で使用した場合、マイクロプラスチックの排出量は年間355トンにもなる。

そうした粒子の大部分は下水処理施設にとどまるものの、毎年推定数トンが水環境や土壌に流れ込む。

科学分野のスタートアップ支援を手がけるロンドンのディープ・サイエンス・ベンチャーズ(DSV)で気候担当シニアアソシエイトを務めるハリー・マクファーソンは本誌の取材にこう語った。

「マイクロプラスチックの大部分が下水処理で回収されるとしても、必ずしも安心はできない。下水処理で発生する固形汚泥は、場所によっては肥料として農地に散布される」

「大切なのは、肥料として使う前に下水汚泥中の有害物質を除去する方法を見つけるか、もっと安全な汚泥廃棄方法を見つけることだ」

マクファーソンはさらに、「自分の健康も環境も守りたいという消費者は、プラスチックを家庭から締め出すこと、特に食品に触れるプラスチック製品を締め出すことから始めるといいだろう」と話し、植物由来で自然に分解される生分解性スポンジを買うことや、水の消費を最小限に抑えることを勧めている。

Reference

Hamann, L., Galafton, C., Rühr, P. T., Blanke, A., & Thonemann, N. (2026). From sink to Sea: Microplastic release from kitchen sponges and potential environmental effects. Environmental Advances, 23. https://doi.org/10.1016/j.envadv.2026.100693

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