車内で銃を突きつけられて襲われたことをきっかけに、アンドルー・ビーチさん(53)は南アフリカを離れ、2003年に米カリフォルニア州に移住した。だが今、米国の方がより危ういと感じているという。公共の場での銃乱射事件や、移民当局による暴力などを例に挙げた。

「白昼堂々、人々が銃撃を受けている。市民が射殺されているのだ」とビ⁠ーチさん。「こんな場所には住みたくない」

米政権の当局者は1月に市民2人を射殺した移民・税関捜査局(ICE)職員の発砲について、正当性を主張。ただ、映像証拠はこの説明と矛盾している。

トランプ米大統領は、黒人が多数派の南アフリカで少数派の白人が「迫害されている」と繰り返し主張している。だがビーチさんは今年、祖国に帰るつもりだという。数千人が今、各地で同じ道を選んでいる。

南アフリカ政府は白人差別や迫害について、証拠がないと否定した。白人少数派による支配が終わった1994年以降、治安悪化や就職難を理由に国外へ移った人は多いが、帰国を選ぶ人も少⁠なくない。

同国では国外へ移住した南アフリカ人の市民権を剥奪する95年の法律を覆し、政府が11月、オンラインポータルを開設して1万2000人の市民権ステータスを確認した。ビーチさんもその1人だ。

この数字は、外国で暮らす南アフリカ人のごく一部に過ぎない。2022年の最新公式統計によると、同年⁠に帰還した白人の南アフリカ人は約1万5000人に上る。

細胞を「生物学的資産」として管理する時代へ──iPS細胞治療の最前線
細胞を「生物学的資産」として管理する時代へ──iPS細胞治療の最前線
物価低く混乱も少ない