物価低く混乱も少ない

シュライバー内相は、1000人の市民権が回復されたと発表。この数字は、プログラムが本格化するにつれて大幅に増加すると予想した。

「海外在住の南アフリカ人の間で、確実に楽観的な見方が広がっている」と、白人主体の民主同盟(DA)に所属し、24年以降は与党アフリカ民族会議(ANC)との連立政権を率いるシュライバー氏は言う。自身も米国とドイツで過ごし、16年に帰国した。

海外在住者の帰国支援を行う人材紹介会社2社によると、問い合わせは急増しているという。ロイターが取材した帰国済みまたは帰国予定の南アフリカ人10人のうち、7人は欧州、3人は米国からだった。

帰国を選ぶ理由には、家族の近くにいたいという希望や、生活費の低さ、諸外国の政治的混乱などが挙がった。2万5000人⁠が参加するフェイスブックグループ「南アフリカに戻ろう」でも、こうした声が共有されている。

トランプ政権は南アフリカに住むアフリカーナ人(その大半がオランダとフランスの初期入植者の子孫である白人)を中心とした難民受け入れプログラムを強化している。25年5月の導⁠入以降、約3500人⁠の南アフリカ人が難民として米国に入国した。

同プログラムの応募者らはロイターの取材に対し、人種差別に起因する犯罪被害に遭ったことや、数十年にわたる白人支配体制を受けて非白人候補を優遇する雇用是正法などに対する不満を訴えた。

他方、南アフリカでの生活を選んだ人からは喜びの声も聞かれた。ナオミ・サファイアさん(46)は昨年、米ノースカロライナ州を離れ、南アフリカ西ケープ州の海辺の町、プレテンバーグベイに移住した。米国で20年間暮らしてきたが、休暇で帰国した際、故郷をどれほど恋しく思っているかに気が付いたという。今では3人の子どもたちも屋外で過ごす時間が増え、健康保険も手頃で、教育環境も気に入っていると語った。

「ここに来られたことに心から感謝している」と話すサファイアさん。他に⁠も帰国した人は多いと明かした。「米国も私にとって良い国だった。でも、子どもたちから生活を奪っている気がした」

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