パーレビ、体制打倒を掲げる勢力を「分離主義的」と非難
さらに、混乱の中で新たな競争者として新たに浮上したのが、イラン最大級の少数民族の一つを代表する「イラン・クルディスタン政治勢力連合」だ。
この連合は、イラン・クルディスタン民主党、クルディスタン自由党、クルディスタン自由生活党、イラン・クルディスタン闘争組織、クルディスタン労働者コマラの5つのクルド系団体によって結成された。
上記5団体はいずれも武装闘争の歴史を持つ。クルディスタン自由党に至っては1月にイランで全国的なデモが起こった際、イラン治安部隊へ攻撃したと主張していた。
イラン・クルディスタン政治勢力連合はクルド人の権利と自治を推進する過程で、分離主義的な傾向を見せているとしてイラン政府から非難されている。
パーレビも、同様の批判を行い、クルド系政党の反発を招くなど、一枚岩ではない反体制勢力の中にさらなる亀裂を生じさせている。
ナデルは「イラン・クルディスタン政治勢力連合を『分離主義者』と呼ぶパーレビの姿勢には失望した......これほど急進化したパーレビ陣営と、いったい誰が連携しようとするのか」と肩を落とす。
「パーレビは1月の蜂起前に5万から10万人の体制離反者が出ると約束した。離反キャンペーンはイラン・インターナショナルで放送された......が、その結果はどうなったのか。本当にその規模の離反は起きたのか」
また、ナデルは、最終的にはイスラム共和国後の指導者を選ぶのはイラン国民自身であり、仮にパーレビが勝利しても、専制へ回帰する可能性があると指摘。「パーレビが『移行期の指導者』になれば、イランで真に自由な選挙は行われないのではないかと懸念している......パーレビの『移行計画』は反民主的だ。国王になりたい人物が、どうして移行期の指導者を兼ねることができるのか」と疑問を呈した。
「国王になろうとしている人物が、同時に移行期の指導者も務めることは利益相反だ。パーレビ陣営は、移行期の指導者という立場に就くことを足がかりに実権を握ろうとしているのではないか。たとえ表向きには象徴的な存在にとどまるとしても、その地位を利用して権力を確保する意図があると考えている」