グローバリゼーションが進めば進むほど、人類は「自己の民族のアイデンティティ」を求める方向に動いている。中東では特に顕著だ。
朝鮮族とて例外ではない。
もし隣接する朝鮮半島に一つの国家「朝鮮」が誕生すれば、在中国の中国籍朝鮮族は「民族の統一」を求めて「朝鮮」に戻るか、その過程で「民族独立」の兆しを示すかもしれない。
万一にも中国籍朝鮮族が独立の方向への動きを少しでも見せれば、ウィグル族やチベット族など、他の少数民族も独立を叫び始める可能性が大きい。
そのようなことになったら、中国共産党の一党支配体制が崩壊する。
中国のその辺の事情を熟知している北朝鮮は、「お前の思うようにはさせないぞ」というシグナルを中国に対して発するためにも、この「わが民族」を強調したものと思うのである。
習近平国家主席が、韓国の文在寅大統領とは電話会談をして南北対話を祝福しているにもかかわらず、軍事同盟国である北朝鮮の金正恩委員長に対しては、この段階に至ってもなお、電話会談さえしていない背景の一つには、この「わが民族」という強調があるとみなしていいだろう。中国の複雑な心境が透けて見える。
