中国当局が先週、デジタル通貨による資金調達「イニシャル・コイン・オファリング(新規仮想通貨公開=ICO)」の禁止令を出したことで、ICOを計画していた新興企業は投資家への対応や計画の練り直しに大わらわだ。

国営メディアによると、中国の投資家が1─6月にICOに注ぎ込んだ資金は26億元(3億9400万ドル)。5つ星ホテルで催されるICO説明会には、年配女性を含むさまざまな人々が詰めかける状態となり、当局も看過できなくなった。

いくつかの新興企業は、先週の措置は投資家を狼狽させ、混乱を招いたと言う。

ブロックチェーン(分散型台帳)の新興企業、シングペイを率いるMi Huijin氏の場合、ちょうどICOを完了して電車から降りた時に携帯電話を見ると、禁止令についてのメッセージが溢れていた。

急いで人気の動画配信チャンネルを介し、「パニックに陥らないでください。うしろめたいことをしていないのなら、恐れることはありません」と呼びかけたが、動画に寄せられたコメントには「お金は返してもらえるのか」といったものや、シングペイを警察に通報する動きを知らせる内容があった。

個人投資家向け仮想通貨プラットフォームの開設を計画していた新興企業セルフセルのLi Yuan最高経営責任者(CEO)は、先週予定していたICOを中止し、コインをすべて返金した。

ICOを実施済みの新興企業の場合、状況はもっと複雑だ。昨年のICOで3000万元(465万ドル)を調達したネオ社の創業者Da Hongfei氏は、投資家にビットコインとの交換でネオコインを返済する申し出を来月まで延期したと語る。

Da氏は、政府の発表では資金をすべて投資家に返済する義務があるようだとした上で、ビットコインの現在のレートで返済すると投資家が損失を被るため、強要はできないと言う。

とはいえ、ロイターが取材したICO主催者ほぼ全員が、市場は制御不能に陥っており、変化を必要としていたと認める。

約60の仮想通貨が宙に浮く