Kentaro Okasaka
[東京 30日 ロイター] - ニデックは30日、2026年3月期の営業損益に非金融資産の減損損失6321億3500万円を計上すると発表した。これを受け、同期の最終損益は5646億円の赤字(前年は846億円の黒字)となる。減損損失額は、2500億円規模としていたこれまでの見通しを大幅に上回る。
同社は、会計や品質に関する不正が発覚したほか、電気自動車(EV)関連事業が低迷していた。29日に岸田光哉社長が辞任し、後任に戒田理夫専務が昇格する人事を発表している。27年3月期の最終損益は1000億円の黒字を見込む。
30日公表した有価証券報告書は、不適切行為の背景に「短期的な利益を優先し、目標未達を許容しない企業風土、特定の経営者への権限集中、内部統制およびグループ会社管理の脆弱性があった」と説明。今後は「失敗や懸念、不正の兆候を隠さず報告・是正できる仕組みを構築する」とした。減損損失の内訳は、「家電・商業・産業用」製品で3351億円、「車載」製品で2310億円など。
PWCジャパン監査法人は、ニデックの26年3月期の連結財務諸表に対する意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手できず、監査意見を表明しないとした。
ニデックは昨年、利益の水増しや費用計上の先延ばしなどの不正会計が判明。永守重信氏が年末に代表取締役を、今年2月に名誉会長を辞任した。その後に品質問題が発覚し、同社が設置した調査委員会は9月、家電や自動車向けなどの部品設計や製造工程の変更といった不適切行為844件を認定した。
東京証券取引所は、不正会計が明らかになった後の昨年10月、内部管理体制の改善を求めてニデックを特別注意銘柄に指定した。1年後に内部管理体制を審査し、適切に整備されていないと判断されれば上場廃止となる。
ニデックは昨年11月から1年間、三菱UFJ銀行、三井住友銀行と6000億円の融資枠(コミットメントライン)の契約を結んでいる。