Yoshifumi Takemoto
[東京 28日 ロイター] - アジア開発銀行(ADB)は28日、神田真人前財務官を次期総裁に選出したと発表した。来年2月に就任する。同日財務省内で会見した神田氏は「インフラ、貧困削減、気候変動など地球規模の問題すべてに全力を尽くしたい」と抱負を述べた。
退任する浅川雅嗣現総裁の後任には神田氏のみが立候補していた。加盟国の財務相など総務による投票が行われ、全員一致で選出した。
アジア地域、世界経済の懸念材料である中国の不良債権問題に関して神田氏は「地方政府の問題についてはしっかり(中国当局は)政策遂行をしてほしい」と述べた。同時に「一般的に中国から海外への資本の流れが縮小しており、(中国当局は)国内に資金を引き込むよう尽力している」との認識を示した。
日米中心に設立されたADBに対抗する形で、中国が設立したアジアインフラ投資銀行(AIIB)との関係については「密接に政策対話を行っている」とした上で、両組織は「性格の違うもので比較するものでない」と述べるにとどめた。
トランプ次期米政権に関する質問には、ADBは政治的に中立な組織であるとして、論評は控えた。「米国を含め加盟国とはしっかり対話をしながら、戦略・業務運営、組織の在り方について連携したい」と話した。
神田氏は1987年東大法卒、旧大蔵省入省。2021年から24年まで財務官を務め、急激な円安進行を止めるため、複数回にわたり総額24兆円の為替介入を実施した。