ウクライナも新手法で対抗

ウクライナにとって自律型ドローンシステムは、兵員不足を補う重要な戦略だ。その典型が、遠隔地にいる操縦者が飛行映像を見ながら操作するFPVドローン。前線で活用され、戦車や砲兵隊、塹壕を安い費用で正確に攻撃できる。偵察ドローンと連携する例も多く、ウクライナ軍は標的の識別・攻撃が数分以内で可能になった。

さらにウクライナは、ロシアの通信妨害に対抗するため、操縦者とケーブルでつなぐ光ファイバードローンを導入した。妨害の影響を受けずに10〜15キロ飛行できる。こうした新手法で、ウクライナは砲弾不足を補っている。

より長距離を飛ぶドローンのシステムの生産拡大にも投資してきた。心理的な圧力を大きくするため都市部に一斉攻撃を仕掛けるロシアとは対照的に、ウクライナは石油精製所や補給庫、軍事基地といった戦略的インフラに焦点を絞っている。

この戦略は成果を上げているようだ。ウクライナは最近、国境から約1400キロ離れたロシア最大の石油精製所の攻撃に成功した。狙いはロシアの物流を機能不全に陥らせ、経済を弱体化させること。ただしロシアの広大な国土を考えれば、この作戦を続けるのは容易ではない。

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※本記事(前・後半)は2025年10月7日号「二刀流の奇跡」特集掲載記事です。

<記事後半:ドローン攻撃の目的は突破口を開くことではない...ドローン攻撃を続けるロシアの真の目的とは?

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