<コピー大国のレッテルはもう通用しない。9月の軍事パレードが示したのは、米国をも動揺させる中国軍事力の姿だった>


▼目次
1.模倣から脱却? 進化を遂げる中国軍事力
2.なぜ今、中国は『世界一級の軍隊』を目指すのか
3.グローバル覇権より台湾包囲? 中国軍事力の真のターゲット
4.アメリカと中国「パワーゲーム」の行方は?

1.模倣から脱却? 進化を遂げる中国軍事力

中国は欧米の技術をまねし、その知的財産を盗む一方、国内産業に莫大な補助金をばらまくことで自らの技術力を磨いてきた――欧米諸国は長らく、そう自らに言い聞かせることで優越感に浸ってきた。

そうした見解には今も一定の真実が含まれるだろうが、全体としては見当違いで時代錯誤と言わざるを得ない。

今の中国はロボットや電気自動車(EV)、原子炉、太陽光発電、ドローン(無人機)、高速鉄道、さらにはAI(人工知能)などの分野で世界の技術革新をリードする存在だ。

嘘だと思うなら、去る9月3日に首都北京で、ロシアや北朝鮮など各国首脳が見守るなかで行われた壮大な軍事パレードを見ればいい。

中国が軍事力で欧米勢に追い付くため、必死で外国製兵器の設計図を盗んでいたのは昔の話。今や新兵器の開発でも世界に先行している。

そして気が付けば、長年にわたりアメリカとその同盟国が優位に立っていた東アジアの軍事力バランスは回復不能なまでに変わってしまった。

「抗日戦争・世界反ファシズム戦争」の勝利80周年を記念する軍事パレードは、現時点での軍事力を誇示するだけでなく、その未来像を予感させるものでもあった。

従来は最新兵器を隠したがっていた中国が、今回はあえて(限定的にだが)正体を見せている。

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軍事パレードで披露されたYJ21超音速弾道ミサイル VCGーREUTERS
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JL3潜水艦発射型大陸間弾道ミサイル VCGーREUTERS

なかでも特筆すべきは空母艦載機だ。

今の中国が保有する空母は3隻にすぎないが、数年後には規模でも能力でも米軍の最新鋭艦にも劣らない原子力空母が少なくとも1隻は加わる可能性が高い。

ウィングマン型ドローンの新型4種類も披露された。有人機と並行して飛び、有人機からの指示で動くステルス無人機だ。

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ロボットウルフを含む陸上無人部隊  VCG―REUTERS
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上空を飛行した空軍のY20空中給油機(右)とJ20戦闘機 QILAI SHEN―BLOOMBERG/GETTY IMAGES

ほかにも初登場の対艦・対地ミサイルシステムや無人潜水艇、さらには新型魚雷もあった。

2.なぜ今、中国は『世界一級の軍隊』を目指すのか

筆者を含め、中国の軍事産業を研究する専門家にとって、この1年は驚きの連続だった。

まず昨年末には、新型ステルス戦闘機2機の試験飛行とされる不鮮明な動画や写真がSNSに投稿された。

数週間後には海軍専門ニュースサイトのネーバルニュースによる報道で、桟橋代わりになる動力付きバージ(艀(はしけ))の開発が伝えられた。

その後に公開された写真を見ると、台湾侵攻時に装甲車などを素早く上陸させるのに不可欠な装備であることが分かった。

1月下旬には、北京郊外に建設中の人民解放軍総司令部のものとされる衛星画像が英フィナンシャル・タイムズ紙に掲載された。米国防総省ビルの少なくとも10倍の広さはありそうだ。

5月にはカシミール紛争を抱えるパキスタンとインドが航空機125機による大規模な空中戦を展開し、パキスタン軍の運用する中国製戦闘機が高い戦闘能力を発揮したと伝えられた(確証はない)。

どうやら、中国が目指すのは軍事力の完全な国産化らしい。

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【note限定公開記事】もう「コピー大国」じゃない!――軍事パレードで示した中国軍事力の衝撃進化


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