もしもダライ・ラマ14世が今のうちに13歳か14歳の子を自らの化身と認定し、自らの知恵を授け、宗教指導者に育てたとしよう。その場合は14世の死後、直ちに15世が即位できることになり、ダライ・ラマの不在による不安定な状態も回避できる。

最高権威のいない空白期間は不安定をもたらしがちだ。それは歴史的に派閥抗争、財務管理の不始末、中央権力の弱体化、政治的不安定、外部の脅威に対抗する力の減少といった問題につながってきた。

もう1つの重要な改革は、ダライ・ラマの地位継承に関する成文規定を守るための評議会の設立だ。この組織にはチベット仏教の4大宗派(ニンマ派、カギュ派、サキャ派、ゲルク派)、および仏教伝来以前の土着宗教(ボン教)の代表者を含めるべきだ。

このような評議会を設立し、その任務を明確にするならば、ダライ・ラマ14世は後継者選びの正式な仕組みが存在しないという重大な問題を解決したことになる。もちろん、この評議会はガンデン・ポタン信託財団の直属とすべきだ。

多様で信頼できる評議会は、複雑で争いの多いプロセスにおいて透明性と専門性の両方を提供し、この神聖な伝統を政治目的のために利用しようとする中国政府の動きから守ることができるだろう。

ダライ・ラマ14世の最後の責務とは
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