2022年のロシアによるウクライナ侵攻を受けて欧州連合(EU)が制裁対象として凍結したロシアの法人・個人の資産100億ユーロのうち、国際証券決済機関ユーロクリアが保管する30億ユーロについて、欧米を中心とする投資家に分配する計画があることが、ロイターが閲覧した文書と関係筋の話で明らかになった。

関係者3人は、この資産はロシアがここ数カ月間にロシア国内で西側投資家から押収した資産の補償に充てられると述べた。EUは資金配分を認めるよう24年末に制裁の仕組みを変更しており、欧州によるロシア制裁を巡る対応は新たな段階に入った。

関係者2人によると、今回の支払いは、EUが凍結しているロシア中央銀行の2000億ユーロ超の資産には影響しないという。ユーロクリアは欧州で制裁対象のロシア資産の大部分の1800億ユーロを保有している。

ロシア当局が24年欧米などの投資家が持つ数十億ドルの没収を命じたことから、ユーロクリアが保有する凍結資産を分配するよう投資家が強く求めていた。

関係筋によると、ユーロクリアは今年3月、ベルギー当局から支払いについて承認されたという。ユーロクリアは4月1日付け文書で、顧客に今後の支払いを通知。ロイターが「当局から補償金額の凍結解除と支払いに対する承認を受けた」とする文書を確認した。

資産凍結は、EUがロシアに圧力をかける手段としている。凍結資産をウクライナ再建に活用することへの期待もあり、投資家に分配することには批判の声も出ている。

[ロイター]
トムソンロイター・ジャパン
Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます
人口減の自治体を救う「小さな浄水場」──誰もが常に安心な水にアクセスできる社会の実現へ
人口減の自治体を救う「小さな浄水場」──誰もが常に安心な水にアクセスできる社会の実現へ
PR
ニューズウィーク日本版 台湾有事の新シナリオ
2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。

米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由

※バックナンバーが読み放題となる 定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます