研究チームによると、白色矮星のほとんどは、進化の過程を通じて均質な表面大気を保つ。これに対して2つの顔を持つ白色矮星ができるのは、「磁場がH(水素)またはHe(ヘリウム)の動きと混合に影響を与え、結果として表面の組成が場所によって異なる大気が作り出される」ことによる。

「ヘリウムが支配的な白色矮星に磁場が存在すること自体、極めて珍しい。従ってDBA(水素とヘリウムが入り混じる表面組成をもつ白色矮星)集団の中でも、そうした不均質な大気を持つ天体はごく稀にしか存在しない」

論文を発表したオクラホマ大学のアダム・モス氏の研究チームは、磁場が白色矮星の対流に影響を与えてヘリウム含有量の多い物質を表面に浮上させ、基本組成を変化させていると推測する。

つまり、2つの顔を持っているのは、その天体の磁極では強い磁場によって対流が抑制される一方で、赤道付近は磁場が弱く対流が発生できるためと考えられる。

「磁場が対流に与える影響が複雑なことから、大気の配置の正確な性質を直接的に確認することはできないが、この分類の天体の不均一性の原因は磁場にあると確信している」。研究者はそう締めくくっている。

(翻訳:鈴木聖子)

【参考文献】

Moss, A., Kilic, M., Bergeron, P., Jewett, G., & Brown, W. R. (2025). The Emerging Class of Double-faced White Dwarfs. The Astrophysical Journal, 983(1), 14. https://iopscience.iop.org/article/10.3847/1538-4357/adbd3a

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