<消耗品扱いされても、聞こえてこない抵抗の声。背後にあるのは暴力の文化と服従のメカニズムだ>

ウクライナ侵攻によるロシア軍死傷者数が恐るべき規模に達している。推定死者数は、第2次大戦後にロシア(ソ連時代を含む)が行った全ての軍事作戦の合計を超えた。

そんななか、注視されているのがロシア軍の「ミートグラインダー(肉ひき器)戦術」だ。ウクライナ側の証言によれば、戦場には武装も準備も不十分なロシア軍部隊が次々に押し寄せ、消耗品のように戦闘に放り込まれている。

一方で、ロシア兵は暴力を振るう側でもある。ウクライナの民間人や戦争捕虜だけでなく、仲間に対しても──。

「使い捨て」扱いのロシア軍兵士が抵抗もせず、軍内に蔓延する残虐行為に耐え、自らも手を染めるのはなぜか。部隊内での暴力や自軍兵士の虐待はロシア軍に限った現象ではないが、これほどの規模で発生するのは近年では珍しい。

ロシア兵の服従姿勢については、さまざまな説明がある。多くが取り上げているのが、経済的動機だ。入隊者には高額のボーナス(国内一部地域では平均年収の数倍に上る)が支払われ、兵士の給与は中央値以上。死亡した場合、遺族は補償を受けられる。

文化的一般論に基づき、ロシア人独特の運命論やニヒリズム(虚無主義)が原因ではないかとみる向きもある。

別の説によれば、ロシア軍兵士は純粋な信念によって行動している可能性がある。

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ロシア軍に充満する「暴力の文化」
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