これについてトランプは、ウクライナの鉱物資源権益をめぐる協定が締結されれば安全は十分に保証されるとしている。アメリカの鉱山関係者が資源開発のためにウクライナに入れば、ロシアは決してウクライナの領土に手を出さないというのがその理屈だ。
一理あるが、アメリカが明確に安全を保証しない限り、西側の企業は労働者をウクライナに派遣しないだろう。資源の半分が現在ロシアの占領下にある地域に埋蔵されているとなれば、なおさらだ。
だがこうした問題は先の話。ルビオ国務長官と共にジッダでウクライナとの協議に臨んだマイク・ウォルツ国家安全保障担当大統領補佐官は3月12日、ロシア側に電話で停戦案を伝えた。プーチンは「根本原因」の除去を強く求め、停戦案を事実上拒否した。トランプはプーチンとの対話に前向きな姿勢を見せている。おそらくプーチンは対話を通じ、ロシア・ウクライナの歴史と地政学をねじ曲げて講釈するだろう。
これまでトランプはプーチンの講釈を受け入れてきた。トランプとしては良好な米ロ関係を取り戻し、プーチンの作り話を信じたいところだ。
だが今後も信じ続けるかどうかは、プーチンの出方次第かもしれない。トランプがプーチンの言動への認識を改めるなら、それだけで両者の関係は大きく変わるだろう。
2026年6月9日号(6月2日発売)は「日本が優勝する日」特集。
Jリーグ発足後、飛躍的に進化した日本サッカー。W杯の頂点に挑み世界を驚かせる時が来た
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます