「ただし、コーヒーを飲むと心疾患による死亡リスクが低下する医学的な根拠は得られてない」とチーは述べた。「考えられるのは、午後や夕方にコーヒーを飲むとメラトニンのようなホルモンの分泌に乱れが生じる可能性だ。これが心血管リスク因子の変化につながると考えられる」

メラトニンの分泌量は時間帯によって異なり、朝は低く、寝る時間に近づくと高くなる。私たちの体内では、こういう24時間周期の変化がいろいろ起きている。だから夜の遅い時間帯にコーヒーを飲むと、眠気と覚醒の自然なリズムが乱れ、睡眠の質が低下し、結果として心疾患のリスクが高まるのかもしれない。

しかし、こうした観察的な研究だけでは朝のコーヒーと心疾患のリスク低下の因果関係は分からない。「この調査結果が他の集団でも確認されるかどうか、さらなる研究が必要だ。コーヒーを飲む時間帯の影響を検証するためには臨床的なテストも必要になる」とチーは述べている。

なおこれとは別に、コーヒーの飲用と発癌リスクの低減、2年ほどの寿命延長との相関を指摘する研究もある。

英ロイヤル・ブロンプトン・アンド・ヘアフィールド病院所属の心臓専門医トーマス・リュシャーは「(この論文で)特に朝のコーヒーが健康に良いということを示す相当な証拠が得られた」と述べ、こう呼びかけた。

「さあ、コーヒーを飲もう。ただし朝のうちに!」

【参考文献】

Wang, X., Ma, H., Sun, Q., Li, J., Heianza, Y., Van Dam, R. M., Hu, F. B., Rimm, E., Manson, J. E., Qi, L. (2024). Coffee drinking timing and mortality in US adults, European Heart Journal, 00, 1-11.

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