上層階で急病人が出たときなどのケースを想定し、4時間分の非常用電源があっても温存された。つまり、非常用電源を持っていてもエレベーターを止めざるを得なかったのだ。結果として、「陸の孤島」状態は確かに起きた。

それでは困ると、東日本大震災の後、大量の燃料を備蓄することなどで、エレベーターの稼働時間を延ばすことが行われた。エレベーター1基を48時間動かせる非常用電源を備えたり、72時間稼働、1週間稼働というケースも出てきた。

最新の超高層マンションでは、地震に強いガス管を引き入れることで非常用電源が働き続ける。つまり、エレベーター1基を制限なく動かし続けることができる、という工夫も生まれている。

といっても、それは一部の最新マンションの話。多くは、停電でもエレベーターを1日から3日程度動かすことができるようになっているのだが、いまだに「4時間程度しか動かせない」という事例もある。

そのため、「停電でエレベーターが停止し、機能不全に陥る」ケースはないとはいえない。が、すべての超高層マンションが停電で機能不全に陥るわけではないのだ。

安全な超高層マンションは、避難場所として指定される

超高層マンションは、地震に対して脆弱というイメージがある。しかし、実際には地震に対して強いといえる側面もある。

まず、建設するための工法基準が一般のマンションよりも厳しい。基準が厳しくなるのは、高さ60メートル(だいたい20階建て)以上の建物において。それが、20階建て以上のマンションを「超高層」と呼ぶ理由となっている。

ちなみにタワマンと呼ばれるタワーマンションには基準がなく、塔状であれば、18階建てでも15階建てでもタワマンと呼ばれている。

話を戻そう。

地上20階建て以上の超高層マンションは信頼度の高い工法で建設され、理論上、大地震でも重大な損壊が生じることはない。加えて、隣接する建物との間隔が広くとられるので、まわりで火災が発生しても延焼の危険性が少ない。建物内にスプリンクラーを設置し、非常用電源のほかに災害備蓄品が充実するのも、超高層マンションの特徴だ。

液状化が起きたとしても、杭打ちがしっかりしているので、建物は傾かない。それは阪神淡路大震災の際、神戸の埋め立て地で証明された。

そのような強さを持つため、避難所に指定されることがあるわけだ。

災害時、支援物資は避難所優先