[デトロイト 15日 ロイター] - 自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)とフォード・モーター<F.N>が15日、商用バンやピックアップトラックでの提携を発表した。電気自動車(EV)や自動運転技術分野の共同開発を模索する。大規模なコスト縮減を図る。

フォルクスワーゲンによると、フォードが両社向けに中型ピックアップトラックや、欧州顧客向けにより大型の商用バンの設計、生産を手掛ける。フォルクスワーゲンはシティーバンを開発、製造。バンはフォードのトルコ工場で生産する可能性がある。

両社によれば、提携に伴い2022年にバンと中型ピックアップトラックの販売を始める。合併や株式の持ち合いを伴わないという。

商用バンとピックアップトラック分野の協力で、2023年から年間の税引き前営業収益が改善すると想定されるという。

VWのディース最高経営責任者(CEO)は、電気自動車化、厳しい排ガス規制、デジタル化、自動運転へのシフト、顧客の好みの変化などから業界は根本的に変革していると指摘。こうした背景から「世界の自動車メーカーは資産を将来的なニーズに合わせ調整し、技術革新のサイクルを加速するため、大規模投資を行っている」とし、「このような環境下で投資を共有するのは理にかなっている」と述べた。

自動車調査会社エドムンズのアナリスト、ジェシカ・コールドウェル氏は「自動車メーカーはもはや業界だけで競争しているのではなく、資金力豊富なテクノロジー企業からの大きな圧力を受けている」とし、「車両構造や生産施設の共有によるコスト削減は、この新たな世界では普通のことだと言える」との見方を示した。

双方のCEOらで構成する共同委員会の下、提携を拡大していく。

フォードのハケットCEOは、提携に伴う自社工場の人員削減を想定していないと説明した。

提携強化模索の背景には、貿易摩擦で欧米、中国向けの車両製造拠点について再考を迫られてきた事情がある。また世界二大市場の中国と米国の減速を受け、コスト削減圧力が高まっていた。

今後売り出す内燃エンジン車の排出基準強化に適合した技術や、電気・自動運転車の開発コスト管理を巡り、世界の自動車各社に圧力が強まりつつある状況が、今回の連携拡大で浮き彫りとなった。

フォルクスワーゲンとの連携は、意思決定加速や費用削減に取り組むハケットCEOにとって大きな賭けと言える。

フォルクスワーゲンの株価がフランクフルト市場の取引で0.6%高、フォードは序盤の米国市場で約0.7%下落した。

*内容を追加しました。

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