・世界各地のイスラム過激派はタリバン復権を強い関心をもってみている。

・そこにはタリバンが超大国アメリカを撤退に追い込んだからという理由だけでなく、どのように政治的に勢力を広げたかを学ぼうとする目的もある。

・タリバン復権は各地の過激派にとって、IS衰退の空白を埋める、一つの道しるべとなっている。

タリバン復権はアフガニスタンだけでなく、世界全体のテロ対策にとって大きな意味をもつ。

「タリバンに学べ」

タリバンにカブールが制圧された後、外国人や米軍協力者がアフガニスタン脱出を目指して空港周辺でかつてない混乱が広がる様は、多くのメディアで報じられている。

しかし、タリバン復権で揺れているのはアフガンだけではない。世界各国のテロ対策の担当者や専門家は今、イスラム過激派の動向に警戒を募らせている。

例えば、インドネシアではアフガン情勢と連動するように、今春からジェマ・イスラミア(JI)などイスラム過激派の活動が活発化しており、1週間で48人のテロ容疑者が逮捕された週もあった。

インドネシアの観光地バリ島では、9.11の翌2002年に外国人の集まるナイトクラブが爆破され、202人の犠牲者が出た他、2016年にはジャカルタで7人が死亡する銃撃戦が発生した。

このインドネシアでは最近、SNSでタリバンを賛美する書き込みが増えている。かつてJIの指導的立場にあり、現在はインドネシア警察の顧問であるナシール・アッバスによると、「アフガンに渡りたい」、「タリバンに学ぶ者を組織的に送り出すべき」など、タリバン復権に触発された投稿も多いという。

伝道者としての「アフガン帰り」

ネットだけでなく、リアルな人の移動によっても、タリバン復権の高揚感が各地に伝えられている。

アフガニスタンにはもともとアルカイダや過激派組織「イスラム国(IS)」なども流入していたが、そのなかにはタリバンと行動をともにする外国人も数多くいる。

その一部はすでにアフガンを離れており、その一人一人がタリバン復権の実体験を各地に伝える伝道者になっている。例えばロシアでは、分離独立を目指すイスラム勢力「北コーカサス首長国」に加わる者が増えており、その多くはアフガン帰りとみられる。

ワシントンにある世界政治研究所のポール・ゴーブルは「過激派に悩まされてきたロシアにとって、アフガン帰りは'ラクダの背を折る最後のワラ'になりかねない」と警告する。

「お手本」タリバン

タリバン復権がもたらしたインパクトの大きさは、超大国アメリカを撤退に追い込んだことだけが理由ではない。

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