2つ目のシナリオは、新しい勢力圏の秩序が勝利した場合だ。ロシアがウクライナの一部または全部を再び帝国化して覇権を維持することに成功し、プーチンが(あるいは後継者が)西側の規範を拒否して、西側(すなわちアメリカ)を実存的な敵対国と見なし続けるなら、新たな勢力圏の国際システムが生まれる。
この勢力圏は、ロシアの(ひいては中国とロシアの)システムで米主導の規範システムに対抗する。
これに対し、従来の「規範的」な国々は、予見できる限り将来にわたってロシアを孤立させ続けるだろう。そして国際社会は、1945年以降の統合が進んだ比較的平和な世界ではなく、1945年以前の混沌とした無秩序な時代と似た様相になる。
プーチンのウクライナ侵攻と、バイデンがロシアの帝国主義的パワーを破壊して戦略のバランスを変えようと決断したことは、数多くの国際危機や戦争より厳しい選択肢を世界の未来に突き付ける。
国際社会の規範が強化されるのか、それとも世界は荒涼とした勢力圏に分断されるのか、今はまだ分からない。
鉄道黄金期を迎えたヨーロッパを旅する――コリン・ジョイス(ジャーナリスト)/豪快かつ特異なアメリカ大陸鉄道史/膨張する中国鉄路の野望/「夢の超特急」リニアの現実/韓国、アフリカ、インド……世界を駆ける鉄道新事情