最新記事
イタリア

【チャイナ・トラック】ファッション業界に巣食う中国犯罪組織を巡る裁判、イタリアで難航

2025年12月14日(日)16時03分

裁判が停滞する一方で、暴力事件は増えている。ハンガーの製造やファストファッション輸送の支配を巡る争いから、イタリア、フランス、スペインでは爆破や放火事件が多発。ロイターの集計によると、2024年4月以降、少なくとも16件の攻撃があった。

<暴力の発火点>

プラートの検察は判事に対し、中国人犯罪組織を法的に「マフィア」と認定し、資産差押えや厳罰を可能にするよう求めている。しかしこの認定は難しく、国外を本拠地とする犯罪組織を対象地した認定はなおさら困難だ。

フィレンツェの北西にある丘の街、プラートは欧州最大の繊維生産拠点で、7000以上の企業が年間約23億ユーロ(約26億8000万ドル)の輸出を行っている。地元当局によると、そのうち4400社以上が中国系企業だ。

街には中国系の工場や倉庫が軒を連ね、プラートは世界的なファストファッション生産拠点に変貌すると同時に、犯罪ネットワークによる暴力の発火点と化した。

「チャイナ・トラック事件」は2018年に捜査が終了し、検察は容疑者58人が「国外からの支援を受け、非常に強力な資金源を持つ犯罪組織」を形成していたと主張した。しかし7年経った今も証人尋問は始まっていない。主犯とされる中国人男性は2018年に予審拘留から釈放された後、中国に逃亡した。

<縄張り争い>

当時のプラート警察トップがロイターに語ったところでは、事件は浙江省出身と福建省出身の中国人グループ間の、欧州での縄張り争いから始まった。暴力は過去2年間でさらに激化している。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ECB、域外中銀向け流動性供給制度の拡充検討 ユー

ワールド

英首相、前駐米大使を激しく非難 米富豪事件で被害者

ビジネス

実質消費支出、12月は前年比-2.6% 2カ月ぶり

ワールド

ベネズエラ、年内に選挙実施可能=野党指導者マチャド
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新世論調査が示すトランプ政権への評価とは
  • 2
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近したイラン製ドローンを撃墜
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    「右足全体が食われた」...突如ビーチに現れたサメが…
  • 5
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 6
    「反トランプの顔ぶれ」にMAGAが怒り心頭...グリーン…
  • 7
    ユキヒョウと自撮りの女性、顔をかまれ激しく襲われ…
  • 8
    エプスタインが政権中枢の情報をプーチンに流してい…
  • 9
    「エプスタインは悪そのもの」「悪夢を見たほど」──…
  • 10
    関税を振り回すトランプのオウンゴール...インドとEU…
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 3
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 4
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 5
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 6
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 7
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 8
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 9
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 5
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中