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シリアに平和は訪れない...イスラエルの空爆で中東に広がる「緊張感とリスク」

Israel Shifts Troops From Gaza to Syria as Another Front Intensifies

2025年7月22日(火)14時15分
トム・オコナー(外交問題担当副編集長)
イスラエルによる空爆で崩れたダマスカスのシリア国防省ビル(2025年7月16日)

空爆で崩れたダマスカスの国防省ビル(7月16日) RAMI ALSAYEDーNURPHOTOーREUTERS

<イスラエルによるシリアへの攻撃が激化するなか、中東諸国の反応は──?>

国内外で複数の戦闘を繰り広げるイスラエルが、シリアへの攻撃を加速させている。

シリア南部のスワイダ県で7月18日、イスラム教少数派のドルーズ派とスンニ派で遊牧民のベドウィン族による衝突が勃発し、数百人が死亡。シリア暫定政府が治安部隊による鎮圧と停戦の仲介に乗り出した。


そこへ自国内にもドルーズ派住民を抱えるイスラエルがドルーズ派保護の名目を掲げて参戦し、さらにシリアの首都ダマスカスの国防省ビルなどにも空爆を行った。

今年3月に暫定政府が発足し、内戦で疲弊したシリアにようやく安定が訪れると国際社会は期待していた。だが各地の紛争とイスラエルの攻撃激化によって政情不安が高まり、中東情勢全般も緊迫化するリスクが増大している。

中東諸国はイスラエルによる軍事介入を猛烈に批判。シリアとの絆が深いパレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスもイスラエルを非難する声明を発表し、アラブ連盟や国連に調停を呼びかけている。

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