最新記事
台中関係

奇妙な経歴の人物が、中国で初めて「台湾独立派」として有罪判決を受ける...親中派?それとも反中派?

2024年10月7日(月)14時10分
ブライアン・ヒュー(ジャーナリスト)
台湾独立運動家の楊智淵(ヤン・チーユアン)

懲役9年を言い渡された楊(2019年11月) SOLOMON203-WIKIMEDIA COMMONS

<ほぼ無名の独立派政党「台湾国民党」で活動する囲碁棋士が、国家分裂罪で懲役9年に>

中国で8月、台湾独立運動家の楊智淵(ヤン・チーユアン)が国家分裂罪で懲役9年を言い渡された。台湾独立運動で実際に有罪判決が下されるのは初めてのことだ。

楊はほぼ無名の「台湾国民党」などの独立派政党で活動し、親中政権への抗議デモに参加するなどしたが、一方で過激な親中国姿勢の中華統一促進党とのつながりも持つという奇妙な経歴の人物だ。


囲碁棋士でもある楊は2022年1月に囲碁大会のため訪中し、行方不明に。同年8月に中国国営メディアで報じられ、中国当局に拘束されていたことが判明した。

中国は今年6月、台湾独立派「首謀者」に死刑適用の指針を発表するなど、強硬姿勢を示している。楊の判決と同時期には、香港の政治家やジャーナリストの起訴も相次いだ。

台湾で対中政策を担う大陸委員会は、中国への渡航に伴う潜在的な危険性を訴え、たとえ穏健な現状維持の見解でも、中国当局からは独立派と見なされる恐れがあるとして注意喚起している。

From thediplomat.com

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

EU、TikTokにルーマニア選挙データ保存命令 

ワールド

再送-イスラエルのガザ攻撃は「ジェノサイド」、アム

ワールド

トルコ大統領、国連総長と電話会談 「シリア紛争は新

ビジネス

米新規失業保険申請は9000件増の22.4万件、緩
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:サステナブルな未来へ 11の地域の挑戦
特集:サステナブルな未来へ 11の地域の挑戦
2024年12月10日号(12/ 3発売)

地域から地球を救う11のチャレンジと、JO1のメンバーが語る「環境のためできること」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    国防に尽くした先に...「54歳で定年、退職後も正規社員にはなりにくい」中年自衛官に待ち受ける厳しい現実
  • 2
    100年で1.8mの表土が消失...フロリダの大地を救うのは「米作り」? 鳥たちも集まって一石三鳥
  • 3
    ついに刑事告発された、斎藤知事のPR会社は「クロ」なのか?
  • 4
    肌を若く保つコツはありますか?...和田秀樹医師に聞…
  • 5
    「冗談かと思った」...人気ビーチで目撃されたのは「…
  • 6
    放射能汚染がウクライナ戦争を終わらせる──プーチン…
  • 7
    BMI改善も可能? リンゴ酢の潜在力を示す研究結果
  • 8
    「クマvsワニ」を川で激撮...衝撃の対決シーンも一瞬…
  • 9
    2年半の捕虜生活を終えたウクライナ兵を待っていた、…
  • 10
    電車の遅延が減る? AIカメラで豪雨対策...JR武蔵野…
  • 1
    BMI改善も可能? リンゴ酢の潜在力を示す研究結果
  • 2
    エリザベス女王はメーガン妃を本当はどう思っていたのか?
  • 3
    健康体の40代男性が突然「心筋梗塞」に...マラソンや筋トレなどハードトレーニングをする人が「陥るワナ」とは
  • 4
    ウクライナ前線での試験運用にも成功、戦争を変える…
  • 5
    メーガン妃の支持率がさらに低下...「イギリス王室で…
  • 6
    NewJeansの契約解除はミン・ヒジンの指示? 投資説な…
  • 7
    バルト海の海底ケーブルは海底に下ろした錨を引きず…
  • 8
    国防に尽くした先に...「54歳で定年、退職後も正規社…
  • 9
    「すぐ消える」という説明を信じて女性が入れた「最…
  • 10
    白昼のビーチに「クラスター子弾の雨」が降る瞬間...…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
  • 9
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 10
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中