最新記事
パレスチナ情勢

ブリンケン国務長官「民間人犠牲に懸念」...イスラエルがガザに新たな攻撃

2024年7月16日(火)12時35分
パレスチナ自治区ガザ

イスラエル軍は15日、13日に実施したイスラム組織ハマスの軍事部門トップであるハンマド・デイフ指導者を標的とした空爆に続き、パレスチナ自治区ガザの南部と中部を攻撃した。(2024年 ロイター/Hatem Khaled)

イスラエル軍は15日、13日に実施したイスラム組織ハマスの軍事部門トップであるハンマド・デイフ指導者を標的とした空爆に続き、パレスチナ自治区ガザの南部と中部を攻撃した。

パレスチナ当局は、13日の攻撃で少なくとも90人が死亡し、数百人が負傷したと発表。現場にいたロイター記者が撮影した映像には、住民が煙炎の中、負傷者や死者が運び出される様子が映っていた。


 

南部ラファでは15日、住民によると、イスラエル軍が西部・中部地区にある家屋を数軒破壊。医療関係者によると、東部地区でパレスチナ人の遺体10体を収容した。

同軍はまた、ガザ中心部のブレイジおよびマガジ難民キャンプへの空爆と戦車砲撃を強化。保健当局の発表によると、マガジ難民キャンプへの空爆でパレスチナ人5人が死亡した。

パレスチナ保健当局によると、中心部のヌセイラートキャンプの家屋に対するイスラエル軍の空爆でパレスチナ人11人が死亡した。

イスラエル軍は、ガザ全域の数十カ所を標的とした空爆により、多数の武装勢力を殺害したと発表。時にはラファとガザ中心部で接近戦を行い、武装勢力を殺害したという。

武装組織「イスラム聖戦」の軍事部門クッズ旅団によると、同部門の戦闘員がラファのヤブナキャンプで激しい戦闘を行った。

一方、米国務省によると、ブリンケン国務長官は15日にワシントンでイスラエルのツァヒ・ハネグビ国家安全保障顧問およびロン・デルメル戦略問題担当相と会談し、イスラエルとハマスの停戦協定に関する意見相違を埋めるための「われわれの念頭にある現実的な解決策」について話し合った。

ブリンケン氏はまた、デイフ指導者を標的としたイスラエルの攻撃を受けて「ガザにおける最近の民間人犠牲者について深刻な懸念」も表明したという。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 ISSUES 2026
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月30日/2026年1月6号(12月23日発売)は「ISSUES 2026」特集。トランプの黄昏/中国AIに限界/米なきアジア安全保障/核使用の現実味/米ドルの賞味期限/WHO’S NEXT…2026年の世界を読む恒例の人気特集です

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米政府、ブラウン大学の安全対策再検討へ 銃乱射事件

ビジネス

元の対ドル基準値、1年3カ月ぶり高水準に 元高警戒

ワールド

米ヘリテージ財団から職員流出、反ユダヤ主義巡る論争

ワールド

トランプ氏、マドゥロ氏に退陣促す 押収石油は「売却
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 2
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    【外国人材戦略】入国者の3分の2に帰国してもらい、…
  • 5
    「信じられない...」何年間もネグレクトされ、「異様…
  • 6
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 7
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 8
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 9
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 10
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中