最新記事

フィリピン

フィリピン麻薬戦争、韓国人殺害でドゥテルテ大統領が急ブレーキ

2017年2月17日(金)12時14分

開発援助の点では、韓国はフィリピンにとって第5位の援助国であり、2015年には、電力、観光、エレクトロニクス製造といった分野に5億2000万ドルを投資している。

また、韓国では約5万5000人のフィリピン人労働者が働いている。フィリピンは英語を学ぶ韓国人の留学先にもなっており、その数は昨年3700人を超える。

マニラ駐在の韓国外交官は、今回の殺害事件に関してフィリピン政府に対する脅しや圧力はまったくないとしながらも、韓国政府は、自国市民の安全確保と安心できる投資環境を求めているという。

在フィリピン韓国商工会議所のホイク・リー所長は、フィリピン国内の韓国人は不安を募らせていると語る。

1995年に20社だった同商工会議所の加盟企業数は現在、サムスン電機<009150.KS>や韓進グループ、LG電子<003550.KS>を筆頭とする500社にまで増加。ただ、フィリピンの経済展望が明るいにもかかわらず、同国の韓国人コミュニティーは2013年以来、約3分の1減少して10万人程度になっている、と同所長は推定する。

「警察は私たちを殺すのではなく、守るべき存在だ」とリー所長は言う。「だからこそ、私たちは非常に動揺し、ショックを受けている」

韓国外務省によれば、フィリピンで殺害される韓国人は年間約10人で、海外で殺される韓国人の3分の1に相当する。

ただし警察の刑事犯罪捜査課によれば、フィリピン在住の韓国人は犯罪の被害者であるのと同じ程度に加害者にもなっているという。同課には韓国人担当デスクが置かれており、誘拐、殺人、強盗、窃盗、強要、詐欺といった事件を処理している。主に暴力団が活動している韓国人コミュニティー内部で起きた事件だという。

(翻訳:エァクレーレン)

Karen Lema and Martin Petty

[マニラ 13日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米ミネアポリスで連邦捜査官が市民射殺 移民取り締ま

ワールド

米ロとウクライナの高官協議終了、2月1日に再協議へ

ワールド

トランプ氏、中国との貿易協定巡りカナダに警告 「1

ワールド

アングル:中国で婚姻数回復傾向続く、ドレス業界が期
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 2
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味を帯びる「超高齢化」による「中国社会崩壊」
  • 3
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投稿したアメリカを嘲笑する動画にネット爆笑
  • 4
    40代からは「積立の考え方」を変えるべき理由──資産…
  • 5
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 6
    サーモンとマグロは要注意...輸入魚に潜む「永遠の化…
  • 7
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    トランプを支配する「サムライ・ニッポン」的価値観…
  • 10
    「これは違法レベル...」飛行機で「史上最悪のマナー…
  • 1
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 2
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 3
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味を帯びる「超高齢化」による「中国社会崩壊」
  • 4
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 5
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 6
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 7
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 8
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の…
  • 9
    韓国が「モンスター」ミサイルを実戦配備 北朝鮮の…
  • 10
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 4
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中