最新記事

日本政治

安倍政権の掛け声ばかりの「未来投資」に陰り、ロシア支援優先で

2016年11月1日(火)21時30分

成長に不可欠な技術革新

 安倍政権はこれまで、「まち・ひと・しごと」や「地方創生」、「一億総活躍」や「働き方改革」などの看板政策を次々と打ち出してきた。

 しかし、そのたびに新たな会議を設置し、大学教授や企業経営者を呼ぶ手法に新味はなく、「すでに勢いを失った政策も少なくない」との声が経済界からも出ている。

 政府は2014年、IoT時代の到来を見据えて「ロボット革命実現会議」を設置し、昨年1月には2020年の「ロボット五輪」開催などを盛り込んだ新戦略を公表した。

 同じ問題意識の下で新たに作られた未来投資会議に、「デジャブ(既視感)を感じる」と話す政府関係者もいる。

 一方、民間エコノミストの中には、潜在成長率の引き上げを果たさなければ、国内総生産(GDP)600兆円を2020年ごろまでに達成するのは困難との声が広がっている。

 未来投資会議の議論が空回りし、AIやIoT、ビッグデータなどで具体的な進展が見られなければ「日本経済の拡大は見込めない」(民間エコノミストのひとり)と懸念する見方もある。

 「看板倒れ」になるのか、実効性を示せるのか──。アベノミクスの成果を左右する大きな分かれ道になりそうだ。

 (梅川崇 編集:田巻一彦)

[ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国の25年石炭需要、8年ぶり減少へ 来年は増加も

ワールド

GDP下方修正、景気の緩やかな回復という基調に変化

ビジネス

NTT、本社を日比谷に移転へ 2031年予定

ワールド

アングル:戦死・国外流出・出生数減、ウクライナ復興
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 2
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 3
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...かつて偶然、撮影されていた「緊張の瞬間」
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 7
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 8
    『ブレイキング・バッド』のスピンオフ映画『エルカ…
  • 9
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 10
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 8
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中