最新記事

英EU離脱

イギリス次期首相にメイ内相、「EU離脱成功裏に進めたい」

2016年7月12日(火)10時22分

 7月11日、英EU離脱決定を受け辞任を表明したキャメロン首相の後任にテリーザ・メイ内相が就任することが決まった。議事堂前で記者団に語るメイ氏(2016年 ロイター/Neil Hall)

英国の欧州連合(EU)離脱決定を受け辞任を表明したキャメロン首相の後任にテリーザ・メイ内相(59)が就任することが11日、決まった。英国では故サッチャー氏以来、2人目の女性首相となる。

与党・保守党の党首選からレッドソム・エネルギー担当閣外相が撤退を表明したことを受け、メイ氏はこの日、保守党党首に就任。キャメロン首相は13日にエリザベス女王に辞表を提出し、メイ氏が同日新首相に就任する。

メイ氏は前月の国民投票ではEU残留を支持。同氏が次期首相に就任することは、国民投票で敗北した陣営が離脱の複雑な手続きの舵を取ることを意味する。

メイ氏はこれまでも投票結果は覆さないと表明。この日の保守党党首就任後も「ブレグジットはブレグジットだ」とし、「離脱を成功裏に進めたい」と述べた。

メイ氏は英国は交渉戦略を策定するために時間が必要とし、年内は離脱手続きを開始しないとの立場を表明。この日にバーミンガムで行った演説では、国民投票のやり直しはないと表明すると同時に、「首相として英国のEU離脱を確実に進めたい」との立場を示した。

同演説では経済政策について「一握りの特権階級だけでなく、すべての国民にとり機能する国家」にしたいとの抱負を語ったほか、住宅建設の加速、脱税の取り締まり強化、省エネ社会の推進などを課題として挙げた。

保守党はこれまで新党首を9月9日までに選出するとしていた。早い時期に新党首が決まったことで市場では安心感が広がり、EU離脱決定を受け31年ぶりの安値をつけていた英ポンドは反発。ポンド/ドルは0.1%高の1.2970ドル近辺で推移している。ただ国民投票前と比べるとまだ約13%低い水準にある。

ロンドン株式市場のFTSE100種総合株価指数<.FTSE>は前営業日終値比1.4%高の6682.86でこの日の取引を終えた。



[ロンドン 11日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ベネズエラ、麻薬犯罪組織の存在否定 米のテロ組織指

ビジネス

英予算責任局、予算案発表時に成長率予測を下方修正へ

ビジネス

独IFO業況指数、11月は予想外に低下 景気回復期

ワールド

和平案巡り協議継続とゼレンスキー氏、「ウクライナを
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナゾ仕様」...「ここじゃできない!」
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 4
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 5
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 6
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】いま注目のフィンテック企業、ソーファイ・…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 9
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 10
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中