最新記事

テロ

仏で男2人が教会を襲撃、神父殺害後に警察が射殺 ISIS関与か

2016年7月27日(水)10時40分

 7月26日、フランス北部ルーアン近郊の町サンテティエンヌ・ドゥ・ルブレで刃物を持った男2人がカトリック教会を襲撃し、人質となった神父1人がのどを切られて殺害された。写真は事件現場となった教会。(2016年 ロイター//Pascal Rossignol)

フランス北部ルーアン近郊の町サンテティエンヌ・ドゥ・ルブレで26日、刃物を持った男2人がカトリック教会を襲撃し、人質となった神父1人がのどを切られて殺害された。男2人は教会から出たところを警察に射殺された。アラビア語で「神は偉大なり」と叫んでいたという。

他に3人が人質となり、うち1人が重傷を負った。

目撃者によると、犯人らは襲撃の様子を撮影していた。

過激派組織「イスラム国(IS)」系のアマク通信は、ISの2人の戦士が襲撃を実行したと伝えた。

対テロ捜査を指揮する検事は、犯人の一人は国内に住む19歳の男で、ISの戦闘に加わる目的でシリアへの渡航を2度試みており、情報当局の監視対象になっていたと明らかにした。

男は監視装置の着用を義務付けられ、自宅から1日に数時間の外出しか認められていなかったにもかかわらず、今回の犯行が可能だったことで、情報当局の対応やフランスの法的手続きを疑問視する声は強まるとみられる。

フランスでは2週間前、群衆にトラックが突っ込み84人が死亡する事件が起きたばかり。アマク通信はこの攻撃もISの戦士が行ったと伝えている。

オランド大統領はテレビ演説で「フランスと欧州がかつて経験したことのない大きな脅威に直面する中、政府はテロの打倒を強く決意している」と強調。フランスはISと戦うため、法律の範囲内で「あらゆる手段を講じるべき」との考えを示した。

米ホワイトハウスは今回の教会襲撃を非難し、フランス警察の対応を評価した。

ローマ法王も攻撃を「野蛮な殺害行為」として強く非難した。

*内容を追加しました。



[サンテティエンヌ・ドゥ・ルブレ(フランス) 26日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

途上国向け温暖化対策資金の調達案公表、COP30控

ビジネス

エプスタイン事件巡り米大手2行を提訴、女性が損害賠

ワールド

トランプ米政権、日本のロシア産エネ輸入停止を期待=

ビジネス

焦点:過熱するAI相場、収益化への懸念で市場に警戒
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 2
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道されない、被害の状況と実態
  • 3
    「欧州最大の企業」がデンマークで生まれたワケ...奇跡の成長をもたらしたフレキシキュリティーとは
  • 4
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 5
    イーロン・マスク、新構想「Macrohard」でマイクロソ…
  • 6
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 7
    【クイズ】アメリカで最も「死亡者」が多く、「給与…
  • 8
    「中国に待ち伏せされた!」レアアース規制にトラン…
  • 9
    【クイズ】サッカー男子日本代表...FIFAランキングの…
  • 10
    間取り図に「謎の空間」...封印されたスペースの正体…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 3
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 4
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 7
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 8
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 9
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 10
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中