命がけの屋外排泄――トイレなしを「精神的拷問」と認定 映画のモデルになった離婚劇にピリオド
トイレ建設を急ぐインドだが、外での排泄を余儀なくされる人はまだ多い Adnan Abidi-REUTERS
<トイレをめぐる離婚劇の決着やいかに......裁判長は判決文で辛らつに夫の主張をねじ伏せた>
23歳のSangeeta Maliは、インド北部ラージャスターン州の裁判所で証言台に立っていた。ニュースサイト、インディアン・タイムズの報道によると、Sangeetaは2011年に10代半ばで結婚。このとき夫と交わした約束が守られていないとして2015年10月に離婚を申し立て、その裁判が結審されようとしていた。
離婚裁判の火種は、トイレだ。英ガーディアン紙によると、Sangeetaは相手の男性に対し、結婚の条件として、同居することになる男性の家にトイレを設置するよう頼んでいた。男性はそれを呑んだ。しかし、待てど暮らせど、夫がトイレ建設に乗り出す気配はない。しびれを切らせたSangeetaは離婚を申し入れた。
【参考記事】トイレ普及急ぐインド 「辱め」を受ける外で排泄する人たち
結婚生活を送っていたピュリ村は、公衆トイレの整備もまだまだ。プライバシーの欠片もない、野外に出て、だいたい近くの畑で用を足していた。まともなトイレを使いたければ、別の村に住む母親の家まで行かなければならなかった。
外で排泄する恥ずかしさはSangeetaを追い詰めた。「膀胱が破裂しそうになっても、暗くなって周りに人がいなくなることを待つ毎日は苦痛だった。私はもうそのストレスに耐えられなかった」と語っている。
呆れた夫の主張にピシャリ
このトイレ裁判、3年もの時間を要している。夫はもちろん、妻の訴えに不満たらたら。地元紙に対し「村の他の女性たちも大概が屋外で用を足しているのだから、妻の要求はおかしい」と憤り、離婚を拒否。2人の意見は真っ向から対立していた。
注目の裁判の行方はというと、妻側の離婚請求を認める判決で決着した。裁判長のRajendra Kumar Sharmaは判決文で、女性が外で用を足さなければならない事実を「精神的拷問」と認定。「自分の母親や姉妹が野外で用を足さねばならない辛さを想像したことがありますか? アルコール、たばこ、携帯電話にはお金をかけるのに、自分の家族のために家にトイレを作らないのは皮肉なこと」と痛烈に非難した。さらに、この事態を「21世紀における不名誉」と嘆いた。
Sangeetaの弁護を担当したRajesh Sharma弁護士は、この判決に満足している。「インドの衛生事情は他国と比べてかなり遅れている。女性が尊厳を持って暮らせるよう、また国を清潔にするために、Sangeetaだけではなくインドの全女性のために村や都市にトイレを建設するべき」というコメントが伝えられている。
【参考記事】インドの性犯罪者が野放しになる訳
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