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慶應生がSDGsに「一丸となって取り組む」和光紙器を訪問して「発見」したこと【学生部門賞受賞】

2025年11月13日(木)18時10分
慶應義塾大学 蟹江研究会 企業評価班

和光紙器の防災グッズ。右から時計回りにWAKOH式段ボールトイレ、WAKOH式段ボールベッド、携帯トイレ:POLET、ポリエコレン担架(写真提供:和光紙器)

和光紙器の防災グッズ。右から時計回りにWAKOH式段ボールトイレ、WAKOH式段ボールベッド、携帯トイレ:POLET、ポリエコレン担架(写真提供:和光紙器)

和光紙器株式会社 〜未来へ繋ぐ、循環資源の「ポリエコレン」〜

代表的な製品であるポリエコレンは、100%リサイクル素材から作られた環境配慮型の新素材です。最大の特長は、折り曲げにも耐えられる優れた耐久性であり、実用性と環境性能を両立しています。

また、生産工程において発生するCO₂は、太陽光発電を活用することで実質排出量ゼロを実現。製造段階から環境負荷を最小限に抑えています。さらに、プラスチックの端材を原料としながらも高い耐久性を持ち、再利用可能であることから、ポリエコレンを中心とした循環型経済(サーキュラーエコノミー)が構築されています。

プラスチックという長年課題とも言われていたものを素材として最大限活用している点や「包装」「防災」「ペット」と徐々に活用の場を広げてきたという積み重ねが高評価に繋がりました。

和光紙器従業員と企業評価班メンバーによるSDGs勉強会の様子。左端が和光紙器代表取締役の本橋志郎さん、左から2人目が蟹江憲史教授(写真提供:慶應義塾大学 蟹江研究会 企業評価班)

和光紙器従業員と企業評価班メンバーによるSDGs勉強会の様子。左端が和光紙器代表取締役の本橋志郎さん、左から2人目が蟹江憲史教授(写真提供:慶應義塾大学 蟹江研究会 企業評価班)

従業員と学生によるSDGs勉強会を実施

SDGs目標11「住み続けられるまちづくりを」をテーマに、地域社会と企業の役割、さらに学生自身の関わり方について多角的な議論を行いました。

まず、地域社会におけるコミュニケーションの差異が話題にあがりました。地方では小規模なイベントであっても住民同士が顔を合わせやすい一方、都市部では交流の場が少なく、また住民の流動性の高さから関係性が希薄になりがちであるとの意見が出されました。一人暮らしや学生寮の生活は閉鎖的な環境に陥りやすく、自治体イベントへの参加が心理的に難しいことも課題として共有されました。

従業員の方からは、地域貢献の具体例として、子どもたちにダンボールベッドの組み立て方を教える活動や、学園祭での地域協働、農家との交流による地産地消の推進などをご紹介いただきました。これらの事例は製品提供にとどまらず、地域の人々との関係構築や安心・安全な暮らしの実現に寄与しています。

また、地域コミュニティのつながりが治安維持に機能することについても触れられ、日常の見守りや声かけといった行為が住民の心理的安全を支えているとのことです。

加えて、女性管理職の割合など企業が直面する実務的な課題にも触れました。総じて、学生の切り口に従業員の方の視点が加わることで思わぬ気づきや共感を生む場面もありました。企業と学生が互いに学び合う貴重な時間となりました。

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