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発達障害

職場で「やる気がない」と誤解される発達障害の人――評価されない努力をどう見直すか

2025年11月10日(月)18時20分
柏本 知成(KyoMi代表取締役)*PRESIDENT Onlineからの転載

感情表現が苦手なASD

「ASD脳」の特徴


・決められたルーティンを重視する

・変更や予定外の出来事に対して、ストレスを感じやすい

・細部へのこだわりが強い

・情報を文字通りに受け取る傾向がある

ASD脳は、秩序と一貫性を重視する傾向があります。

ASDの人は感情表現が苦手。コミュニケーションの困難さを感じている人が多いです。


そのため周囲から、一緒にいても何を考えているのかわからない、周囲が盛り上がっていてもつまらなそうに見えてしまうなど、本人の気持ちと、周りからの見られ方にギャップが起きやすいのです。ひとりでいることを好む人が多いといわれていますが、大人数で過ごすことが嫌いなワケではなく、苦手なのです。

刺激に対する反応がアンバランスな併発型

ADHD脳とASD脳を併せもつ「併発型」の特徴


・強いこだわりがありながら、実行に移すための集中力が続かない

・計画は緻密に立てられるが、実行の段階で予定通りに進まない

・新しいことへの興味は強いが、変化に対する不安も大きい

併発型の方の特徴は、刺激に対する反応がアンバランスになりがちなこと。

ADHDの特性から、内側からのアクセルがききやすい――自分の興味・関心があるものに飛びつく――傾向にあります。

しかし同時に、ASDの特性から、外側からのブレーキへ過敏に反応――他人からの予定変更やルール違反があると動けなくなる――ことにもなります。

そのため突然スイッチが入り、猛烈に動き出したかと思うと、直後の小さな変化やトラブルで動けなくなるという「極端な起伏」が目立ちます。

これらの特性は、その人固有の「脳の働き方」です。環境に応じて対処方法を適切に調整することで、それぞれの特性を強みとして活かすことができます。


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※当記事は「PRESIDENT Online」からの転載記事です。元記事はこちら
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