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【写真特集】大国の標的 グリーンランド住民がパワーゲームの足元で描く未来
ARENA FOR A NEW “GREAT GAME”
Photographs by Jonas Kakó
島内最大のレアアース鉱床タンブリーズ・プロジェクトで働くヌカッピアールック・ドルフ(21、左)とエディ。鉱物資源探査は雇用をもたらす一方、多くの若者が経済発展、環境保護、自己決定という価値観の間で揺れ動く
<戦略資源レアアースの供給源として浮上したグリーンランドは、トランプ米大統領が領有・買収に強い意欲を示し、EUや中国などの野心が交錯する地政学の最前線。住民たちは、頭越しの陣取りゲームに翻弄されながら、自立への新たな道を探る>
ハイテク機器はもちろん、宇宙産業や防衛産業に不可欠な資源レアアース(希土類)。その精錬の約9割を中国が握るという不均衡を緩和するかもしれないのが、デンマーク自治領グリーンランドだ。
豊富な資源が眠ることは以前から知られていたが、ドナルド・トランプ米大統領が領有を主張し始めたため、新たな「陣取りゲーム」の舞台として注目されている。先住民イヌイットが住民の大半を占め、デンマークからの独立を目指す人々は当初、トランプの野心に憤りを覚えた。しかし好ましい変化も起きている。島に関心を払ってこなかったデンマークやEUが、鉱山開発などの大規模投資を打ち出し始めたのだ。
漁業が柱という経済構造が変われば、将来的な独立にとってはプラス。ただし、どの国をパートナーとするかで人々は揺れ動いている。条件によっては中国企業を潜在的な相手と考える人も、アメリカとの関係強化を主張する人もいる。自治議会議員クノ・フェンカーは「アメリカとの連携は投資や貿易の機会を開き、ロシアや中国のような国に介入させない保証になると思う」と語る。
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Photographs by Jonas Kako-True Picture-Panos Pictures
撮影:ヨナス・カコ
1992年ドイツ生まれ。ハノーバーの大学でフォトジャーナリズムとドキュメンタリー写真を学び、2017年からフリーランスのカメラマンとして、ブレーメンの日刊紙に勤務。気候危機が社会や自然に与える影響をテーマに、米ナショナル・ジオグラフィック誌や独シュテルン誌などに寄稿
【連載第1015回】Newsweek日本版 写真で世界を伝える「Picture Power」2026年2月3日号掲載





