ニュース速報
ワールド

トランプ氏、グリーンランドで「後戻りない」 欧州首脳ら反発強める

2026年01月21日(水)09時32分

1月20日、ホワイトハウスで撮影。REUTERS/Jessica Koscielniak

Trevor ‍Hunnicutt Michel Rose Stine Jacobsen

[ワシントン/ダボス/コペンハ‌ーゲン 20日 ロイター] - トランプ米大統領は20日、デンマーク自治領のグリーンランドを領有する目標に「後戻りはない」と述べ、武力による獲得を排除しない姿勢を改め‌て示した上で、北大西洋条約機​構(NATO)の同盟国に怒りをぶつけた。

しかし、その後の記者会見では「NATOもわれわれも満足する形での解決策を見いだせるだろう」と、トーンを和らげる場面もあった。

ベセント米財務長官も20日、米国と欧州諸国は解決策を見いだせるとの自信を示した。貿易戦争に発展するとの「ヒステリー‌」を一蹴した。

トランプ氏は、NATOのルッテ事務総長と電話会談した後、自身の交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」に投稿し、「グリーンランドは国家と世界の安全保障に不可欠だ。これは誰もが同意する!」と主張し、グリーンランドで米国旗を手にした自身のAI(人工知能)画像などを投稿した。

その後、世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)が開かれているスイスでグリーンランド問題を巡る多くの会合が予定されているとし、「物事はうまくいくと思う」と述べた。

一方、マクロン仏大統領からのテキストメッセージなどの画像も投稿。それによると​、マクロン氏は「(トランプ氏が)グリーンランドについて何をしてい⁠るのか理解できない」と疑問を呈していた。

<デンマーク首相ら欧州首脳は反発>

これに対し‍、デンマークのフレデリクセン首相は要求に屈してグリーンランドを放棄することはないと明言。「米大統領は残念ながら軍事力の行使を否定していない。したがって、われわれも武力行使を否定できない」と記者団に語った。

リトアニアのナウセーダ大統領はダボス会議で、北極圏と北大西洋の安全保障を分担することで合‍意すれば、対立を打開できるとロイターに語った。

マクロン氏もダボス会議の‍演説で、‌フランスを含む欧州は「力の論理」を黙って受け入れることはしない‍とし、「ルールなき世界」への移行が進む中でも、欧州は主権と法の支配を守る姿勢を崩さないと表明。「われわれは威圧よりも敬意を、残虐さより法の支配を選ぶ」と述べ、トランプ政権が打ち出している関税措置は、特に領土を巡り圧力をかける手段として使われる場合は「根本的に」受け入れられないと語った。

フォンデアライエン欧⁠州委員長は、「劇的な変化」によって「新たな形の欧州の独立」を築く必要が生じたとし、安全保障面で米国への依存を減らす重要性を指摘。

また、カナダのカ⁠ーニー首相もダボス会議の演説で、グリーンラン‍ド問題に関連するいかなる関税措置にも強く反対するとの考えを示した。

トランプ大統領は先に、グリーンランドを購入できるようになるまでフランスを含む欧州8カ国からの輸入品に10%の追加関税​を導入すると表明。これを受けEU各国は930億ユーロ相当の対米関税の発動などを含む報復措置を検討している。

この他、米国のサービス輸出を対象に「反威圧措置(ACI)」を行使する案も浮上している。この措置はまだ一度も使用されたことはないが、マクロン氏は20日も行使の可能性に言及した。

ロイター
Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米EVルーシッド、2020年代終盤にキャッシュフロ

ワールド

米、強制労働巡り不公正貿易調査を開始 日本など60

ビジネス

世界EV販売台数、2月は前年比11%減 中国の落ち

ビジネス

国民生活への影響念頭にいかなる時も万全の対応取る=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 2
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車整備は収入増、公認会計士・税理士は収入減
  • 3
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃に支持が広がるのか
  • 4
    「イラン送りにすべき...」トランプ孫娘、警護隊引き…
  • 5
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 6
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 7
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 8
    2万歩でも疲れない? ディズニー・ユニバで足が痛く…
  • 9
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 10
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 6
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 7
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 8
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示…
  • 9
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 10
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中