ＥＵ、ＡＩとプライバシー規制の簡素化案を公表 厳格ルール延期へ

欧州連合（ＥＵ）欧州委員会本部にたなびく旗。ベルギー・ブリュッセルで2019年9月撮影。REUTERS/Yves Herman

Supantha Mukherjee　Foo Yun Chee

［ストックホルム/ブリュッセル　１９日　ロイター］ - 欧州連合（ＥＵ）の執行機関である欧州委員会は１９日、人工知能（ＡＩ）とプライバシーに関する規制を簡素化する素案を明らかにした。ただ、ＩＴ業界からは不十分だと批判される一方、消費者団体からは大手ＩＴ企業に屈したと反発の声が上がっている。

欧州委員会の「デジタル・オムニバス」は、「高リスク」分野におけるＡＩ利用に関する厳格な規則を延期するほか、クッキーに関する規則を緩和し、データの活用拡大を提案した。この提案により、生体認証や公共事業、医療関連、信用度、法執行などの機密分野でのＡＩ使用に関する厳格な規則の適用が２０２６年８月から２０２７年１２月に延期されることになる。

欧州は、ＡＩや半導体分野で米国とアジアの企業に後れを取っているため、これ以上の劣勢を回避しつつ、厳格な規則順守も模索している。

ドムブロフスキス委員（経済担当）は「欧州は今のところ、デジタル革命の恩恵を十分に享受できていない」と述べた。

簡素化のオムニバス提案には、昨年成立したＡＩ法や一般データ保護規則（ＧＤＰＲ）などが含まれる。