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政府系ファンド創設で超党派議連、幹部に加藤前財務相ら 年内にも初会合

2025年11月11日(火)17時01分

日本版政府系ファンド創設に向け、自民党、公明党、立憲民主党などが超党派で議員連盟を立ち上げる。写真は2024年10月、東京で撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)

Tamiyuki Kihara

[東京 11日 ロイター] - 日本版政府系ファンド創設に向け、自民党、公明党、立憲民主党などが超党派で議員連盟を立ち上げる。関係者によると自民からは加藤勝信前財務相、公明からは岡本三成政調会長が幹部に就き、年内にも初会合を開く方針だ。

11日の衆院予算委員会で、高市早苗首相は「(ファンド設立の)検討に入られるということで楽しみにしている」と前向きな姿勢を示した。

岡本氏は予算委での質問の中で、政府系ファンド(ジャパン・ファンド)の制度設計案を説明した。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の積立金、外国為替資金特別会計(外為特会)、日銀保有の上場投資信託(ETF)をファンドが一括管理し、国内外の債券・株式などで運用する。安定、効率を基本にリターンの一部を他の政策に活用する構想だ。

仮に500兆円をファンドで運用した場合、過去25年の試算では必要なリターンを差し引いても毎年2%以上の資金が残るという。岡本氏は自公政権時に策定した今年度の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」に「公的部門が保有する資産について、その保有目的等も踏まえつつ、運用改善や有効活用の有用性を検討する」と盛り込まれている点を強調。今後、超党派の議員連盟を立ち上げて制度設計を進め、政府にファンド創設を求める考えを表明した。

ファンドの必要性について、片山さつき財務相は予算委で「外為特会は機動的な(為替)介入を行うために一定の流動性を確保することも必要だ」とする一方、「成熟国家として運用で稼ぐという視点は非常に重要だ。安全性をしっかり判断した上で、ぜひ今後も検討いただきたい」と答弁。高市氏も「一般論として資産運用は安全性を担保した上でリスクとリターンの関係性、運用しないことによる機会費用を考慮すべきだ」とし、「これから『ジャパン・ファンド』の検討に入られるということで楽しみにしている。ぜひとも制度設計したら教えてほしい」と応じた。

関係者によると、議連の幹部には加藤氏と岡本氏の名前が挙がっている。自民、公明、立民のほか、参政党なども関心を寄せており、年内にも初会合を開く方向で調整している。

(鬼原民幸 編集:橋本浩)

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