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トランプ氏、オバマケア補助金廃止の主張強める 加入者へ直接給付提案

2025年11月10日(月)09時24分

写真はトランプ米大統領。11月9日、ワシントンで撮影。REUTERS/Kevin Lamarque

Nathan Layne

[9日 ロイター] - トランプ米大統領が、医療保険制度(オバマケア)向けの連邦政府による補助金制度を廃止すべきだとの主張を一段と強めている。

中低所得者向けに医療保険加入の負担を減らす目的で保険料の一部を税額控除の形で補助するこの制度は年末で期限切れとなる。同制度を巡る与野党の意見対立が、9日で過去最長の40日を迎えた政府機関閉鎖の主な原因。制度延長の合意を優先したいのが野党民主党、つなぎ予算成立後にこの問題を話し合うべきだと唱えているのが与党共和党だ。

7日には民主党上院トップのシューマー院内総務が提出した政府再開と引き換えに補助金制度の1年延長を認めさせる法案が、共和党の反対で否決された。

こうした中でトランプ氏は8日、共和党の上院議員にオバマケアのマーケットプレイスを通じた保険加入の補助から連邦政府資金を引き揚げ、代わりに加入者個人への給付に回すよう促した。

さらに9日には自身のSNSで補助金について「保険会社には濡れ手に粟の利益、国民にとっては大惨事だ」と痛烈に批判するとともに、保険加入のための資金を個人に直接給付するよう改めて訴えた。

トランプ氏は「政府が再開されれば、この問題の解決に向けて与野党と協力する用意ができている」と投稿した。

これに対して民主党のシフ上院議員は、トランプ氏の提案はオバマケアを骨抜きにして、保険会社が一定の条件を設けて加入者を選別できるようにする狙いがあると非難した。

複数の専門家によると、補助金制度が撤廃された場合、オバマケアに基づく医療保険加入者の保険料負担は毎月平均2倍超に跳ね上がるという。

ロイター
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