レバノン次期中銀総裁の人選で米政府が働きかけ=関係筋
3月16日、レバノン中央銀行の次期総裁の人選で米政府がレバノン政府に意見を提示して働きかけを行っている。写真は昨年9月、ベイルートにあるレバノン中銀前で撮影(2025年 ロイター/Mohamed Azakir)
[ベイルート/ワシントン 16日 ロイター] - レバノン中央銀行の次期総裁の人選で米政府がレバノン政府に意見を提示して働きかけを行っている。親イラン民兵組織ヒズボラによるレバノンの銀行システムを通じた汚職や不正金融取引を防ぐ狙いだ。事情に詳しい5人の関係者が明らかにした。
レバノンの消息筋3人と西側外交筋1人、トランプ政権の高官1人の話では、米政府はレバノン中銀総裁の候補者数人の経歴や人物像を精査している。米政府の当局者は一部の候補者とワシントンおよびレバノンの米国大使館で面談した。
レバノン筋によると、米当局者は候補との面談で、レバノンの銀行システムを通じて「テロ金融」にどのように対処するか、ヒズボラに積極的に立ち向かうか、といったことを質問した。
米国務省、ホワイトハウス、レバノン首相府はコメント要請に返答しなかった。レバノン大統領の報道官は、重要なのは適格な人物を選ぶことだと述べるにとどめた。
米政権の高官は、この働きかけは「通常の外交」の一環だと主張。米政府はレバノン政府向けのガイダンスを明確にしていると付け加えた。
この高官はロイターに「ガイダンスでは、汚職に手を染めた人物やヒズボラを除外している。これは経済の観点から重要だ」と述べた。
レバノン筋の話では、候補には元閣僚や投資会社の経営者、国際通貨基金(IMF)当局者、資産運用会社経営者らの名前が挙がっている。
レバノン中銀総裁は2023年以降、空席となっており、現在は総裁代行が職務に当たっている。
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